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魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたん

「たしかに、見たんだって!」


次の日の早朝、俺はアイスの魔女セリーナを誘いホテルの入り口までやって来ていた


「ほんとに、そんな巨大な魚がいたの?」


「いや、魚かどうかは定かじゃないけど、とにかくデカかった」


「昨夜もそのことは聞いたけど、ルキしか見ていないし……」


「だから、今から俺と調べに行ってみないか?」


「えっ、2人だけで?」


「ああ、そうだけど」


「じゃあ、いいわよ、行ってあげる」


「じゃあって何だよ……まあいいや、でさ、2人でアルテミスの滝の上まで行ける乗り物が欲しいんだけど……」


「はっ? まさか、そのために私を呼び出したんじゃないんでしょうね」


「ち、違うよ、セリーナと一緒に行きたかったんだよ!」


「ふーん、ならいいけど……分かったわ、でも乗り物っていっても、魔法の馬車は、今ペガサスたちがどこかへ遊びに行ってて使えないし……あっ、ちょっと待って!」


セリーナはそう言うと、ポケットからアイスモナカを取り出し、モナカの皮をいだ……


「どこにアイスモナカ入れてんだよ!」


「うるさいわね、黙って見てなさいよ!」


「おい、セリーナ! 最近、俺に対して攻撃的だぞ! たしか俺と秘密の契約を結んでるんだろ? つまり俺がご主人様ってわけだ」


「それはそうだけど、ルキはあの魔界の皇帝ルキフェル様じゃないんでしょ? だったら秘密の契約とか関係ないじゃない」


「ああ、たしかにその通りだよ……自分が悪魔なのは分かるんだけど、魔界の記憶は一切ないんだから……それはそうとその秘密の契約って一体何なんだよ」


「そんなこと、こんな真昼間から言えるわけないでしょ! ていうか、もしルキがルキフェル様なら、いい加減思い出しなさいよ! ていうか逆に私との秘密の契約を覚えていないことが許せないわ!」


俺はその言葉に頭と心が痛んだ……だがセリーナの気持ちも分かる……俺は自分の気持ちを抑えセリーナに言った


「俺が悪かったよ……黙ってみてるから許してくれよ……」


「うん、私も言いすぎたわ……ごめんなさい……」


セリーナはそう言うと魔法の杖を取り出しアイスモナカに魔法をかけた


するとアイスモナカの皮はみるみる大きくなり、まるで空飛ぶじゅうたんのようになったのである


「さあ、乗って!」


「えっ、これに乗るの? 見るからに柔らかそうだけど、耐久性は保証されてるんだろうな……それにバニラアイスも所々ついてるし……」


「もう、今私に謝ったばかりなのに、やっぱりルキはルキね……とにかく、つべこべ言わずに乗りなさいよ!」


「あ、ああ……」


俺が魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたんに恐る恐る乗ると、たしかに弾力性があり、しっかりしていた


「じゃあ、行くわよ!」


「ちょ、待って、まだ座ってない……」


コロコロコロ……


急発進した魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたんによって俺は見事な後ろでんぐり返しを決めたのだった……






風が心地よい……いや強烈だ!!!!


俺とセリーナが乗った魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたんはアルテミスの滝のそばまで来てふわふわと浮いていたが、この世界最大の瀑布ばくふのパワーは凄まじかった


俺はセリーナに大声で言った


「セリーナ、もう少し滝から離れろよ!! びしょびしょになるから!!」


「分かった!! じゃあアルテミスの滝の上空まで移動するわね!!」


セリーナがそう言うと、魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたんはアルテミスの滝から少し離れた後、滝に沿って上昇し始めた


俺は落ちそうになりセリーナにしがみついた


「ちょっとルキ、変なところ触らないでよ!!」


「さ、触ってねーし!! それより、もうちょっと安全運転しろよ!!」


「はいはい、ルキ様!! 仰せの通りにいたします!!」






こうして俺とアイスの魔女セリーナの乗った魔法の空飛ぶアイスモナカの皮のじゅうたんは、アルテミスの滝から上空へ飛び出したのであった……




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