貴婦人レディ・シャーベット
「ルキ……ルキ、朝です、起きなさい!」
何やら耳元で声がする
(あれっ? 俺はどこにいるんだっけ?
こんな声は聞いた事ないぞ……)
俺は目を開けた
「わっ!!!!」
そこにはまるで貴婦人のような格好をした女性が立っていた
中世の貴族のようなドレスを着て日傘をさしている
その女性はまるで人間そのものだったのだが大きな猫くらいしかなかった
「人形?」
俺は思わずそう呟いた
「えっ? 何ですって? 私の事かしら……私の名前はレディ・シャーベット……アイスの魔女セリーナ様の使い魔よ、さあ早く起きなさいルキ! そして服を着なさい!」
「なんで呼び捨てなんだよ! えっ? 服? あれっ、たしかに俺、上半身裸じゃん……」
いろんなことにびっくりしながら俺は服を探そうと振り返った途端
「えっ!!!!」
またまた俺はびっくりした……そこにはセリーナが寝ていたのだ
しかもスリットから見える太ももが眩しい……俺は混乱した
「貴婦人と太もも……太ももももももものうち…… いや、俺は一体何を言ってるんだ……」
たしかに俺は南の大陸にあるコーチス王国から帰ってきた後、ずっとカフェ・ド・セリーナに入り浸っている……というか住んでいる
だがもちろんセリーナと一緒の部屋にではない
「なのに、なぜ俺はセリーナの部屋に……」
(うーーん、どう考えても昨日の記憶がない……)
「まっ、いいか、あとでセリーナに聞いてみよう」
俺は背伸びをし服を着ると1階にある店舗へ行こうと階段を降りることにした
階段を降りるに連れ、コーヒーの良い香りが漂ってくる
俺はこれから食べようとする朝食にワクワクしながら今日は何をしようか考えながら階段を降りたのだった……




