砂のゴーレムさん
エルフの国のソラファ王女の気迫に負けて、悪魔ベリアルは、しぶしぶプライベート用に買ったキャンピングトレーラーを公園に出現させるとチャリオットに引っ付けた
そしておもむろに公園の砂場に歩いていくと砂場に向かって呪文を唱えた
すると砂場の砂がどんどん1箇所に集まってきて人型になっていき、ついに砂人形が出来上がったのだった
ベリアルは振り向きソラファに言った
「こちらは、砂のゴーレムさんだ、ゴーレムさんには、チャリオットで炎の馬たちの手綱を取ってもらうから」
ソラファはうなずき、ゴーレムさんに投げキッスをすると、ゴーレムさんは頬を染めた
ソラファとマルバスとベリアルがキャンピングトレーラーに乗り込み、ゴーレムさんが炎の馬たちにムチを入れると、キャンピングトレーラーが引っ付いたチャリオットは、ゆっくりと空に向かって飛び立って行ったのだった……
それからしばらくして、海に出るとソラファは窓のそばに座り、眼下に広がる島々を眺めていた
「ああー、空のドライブって最高……」
その時、突然後ろから声がした
「おい、ソラファ、何、悦に入っちゃってるんだよ!」
ソラファが振り向くと、そこには今シャワーを浴びてきたばかりの、びしょ濡れのマルバスがいた
「ちょっと、マルバス! シャワーから上がったら体を拭きなさいよ! あと、変なものを見せないでよ!!!!」
「あー、悪い悪い、ここでは、そういうもんなんだな、あはは」
マルバスが笑うとベリアルが言った
「てめえ、わざとやってるだろ……」




