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悪魔ベリアル

カフェ・ド・セリーナのそばにある公園は、森の木々の間から湖が見渡せる素敵な場所だった……


エルフの国のソラファ王女は、悪魔マルバス以外、周りに誰もいないことを確認してから深呼吸をし黄金のソロモンの指輪に向かって何事か唱えると魔術書グリモワールが現れた


木漏れ日が差し込む中、鳥のさえずりだけが聞こえてくる……


ソラファは、先程悪魔マルバスを召喚した時同様、今度は魔術書グリモワールにある悪魔ベリアルのページを開き、そこに書いてある魔法陣を指でなぞった


すると急にひんやりとした空気が肌にまとわりつき、異様な空間変化と歪んだ時間が迫ってくる感覚に包まれた


ソラファは、静かに悪魔の召喚呪文を唱え始めた……


そして最後の一節を唱え終わった時、突然黄金のソロモンの指輪に刻まれた古代文字が光ると同時に指輪が小刻みに震えだし、さらに指輪から黒い霧が出てきて渦を巻き始めた……


それを見たソラファは、指輪をした手を高々と振り上げた……そして即座に前方斜め下の地面に向かって振り下ろした


バーーーーン!!!!!!!!


大きな破裂音と共に爆発したかのように辺りの木々が揺れ、風を感じた……一瞬遅れて強い圧力も感じた


その数秒後、一瞬、静寂の空間に入ったかと思った次の瞬間、地面から強い光と熱を感じた


そして、次第に目が慣れてくると、そこには燃え盛る炎の戦闘用馬車、チャリオットに乗った悪魔が不敵な笑みを浮かべ立っていたのであった……






「あなたがベリアル?」


「そうだ! 我が名はベリアル! 魔界の悪魔80軍団を率いる強大にして強力な魔界の王の1柱である……ん? 誰もいない……」


悪魔マルバスがすかさずベリアルに言った


「こっちだ、こっち! どこ向いてんだよ」


「ああ、そっちか」


悪魔ベリアルがエルフの国のソラファ王女たちの方へ向くとソラファはベリアルに言った


「ねぇ……悪魔は、みんなそんな自己紹介の仕方をするの? まあ、いいけど……それにしてもあなたもマルバスと同じくらいイケメンね……天使みたいだし、声も美しいし……」


するとベリアルがソラファに答える前にマルバスが言った


「いや、ベリアルは見た目は天使みたいだが、中身は正真正銘の悪魔だぞ!」


「黙れ、マルバス……ところでエルフのお嬢さん、今私のことをマルバスと同じくらいイケメンだと言ったが、私の方が断然イケメンだぞ! なぜならマルバスの本来の姿はただのマッチョなライオンだからな」


「おい、それは言わない約束だろ……」


マルバスがそう言ったあと黙り込んだのを見てニヤリと笑ったベリアルがソラファに言った


「それで、エルフのお嬢さん……君が私の召喚者なのかな?」


「ええ、ベリアル、私が黄金のソロモンの指輪で、あなたを召喚したのよ」


「えっ、ソロモンの指輪だと……じゃあエルフのお嬢さんには逆らえないということか……」


「そういうことよ! よろしくベリアル、私はソラファよ」


「よ、よろしくソラファ……」


「さっそくだけど、私、空飛ぶ魔法の馬車で大空をドライブしたいんだけど」


「空飛ぶ馬車? このチャリオットで私とドライブに行きたいのか?」


「違うわよ! もっと大きな馬車で、中でくつろいだり、冷蔵庫やテーブルがあって、食事したりとか……」


「贅沢だな、あきらめろ!」


そこへ、マルバスが話に割り込んできた


「おい、ベリアル、最近お前がキャンピングトレーラーを買ったのを知ってるぞ! それをチャリオットの後ろに引っ付けちゃえよ!」


「えっ、あのキャンピングトレーラーはプライベート用だ!」


その時ソラファが、しなを作りながらベリアルに言った


「ねぇねぇ、私からも、お、ね、が、い!」


そしてベリアルに投げキッスをした


「嫌だ!!!!」


ベリアルがそう言った途端、ソラファは腕まくりをしながらベリアルに凄んだ


「どつくわよ! さっさと用意してよ! ていうかソロモンの指輪をしてる私に逆らえるの!」


「うーん……す、すぐに、ご用意いたします……」






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