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悪魔マルバス

エルフの国のプリンセス・ソラファは、アルテミスシティ郊外の森の中にある、アイスの魔女セリーナの経営するカフェ【カフェ・ド・セリーナ】の店長、巨大な白熊の獣人カゴシャンにセリーナが外出中だと聞いた後、店を出た……


「ああ……私もセリーナのように空飛ぶ魔法の馬車で大空をドライブしたいな……」


ソラファはそう呟くと、近くにある大きな湖のそばにある公園にやってきた


そしてベンチに座ろうとベンチの背もたれに手を伸ばした瞬間、あることに気がついた……


「あっ、指輪……そうだ、これよ……この指輪で悪魔を召喚して、空飛ぶ魔法の馬車を出してもらえばいいんだわ!」


ソラファが指に、はめている黄金の指輪……それは、元々、アルテミス神殿の神官ユーカリスが、聖騎士パラディンだった頃、天界の大天使ミカエルから授かった指輪なのだが、アリーシャ公国での怪物クジラ退治の後、月の女神アルテミスに誘われ、ユーカリスが改宗して、アルテミスに仕える際、アリーシャ公国に出没する魔物に困っていた公爵令嬢アリーシャに指輪を譲った……そしてその後、アリーシャはアリーシャの従姉妹であるエルフの国のプリンセス・ソラファに2人の絆の証として譲ったため、今、ソラファの指にはその黄金の指輪がはめられているのであった……


大天使ミカエルがユーカリスに授けた黄金の指輪……この黄金の指輪は、かつて、ソロモン王が72柱の悪魔を呼び出し使っていた黄金の指輪だ……


この黄金のソロモンの指輪をつけている限り、呼び出した悪魔に襲われることなく、従わせることが出来るのである


もちろん、強制的に従わせるので、しぶしぶ従う悪魔もいるのだが……






公園で悪魔マルバスを召喚したソラファは驚きながら第一声を発した


「イ、イケメンね……」


「貴様は誰だ?」


「はっ? ちょっとあなた、私がご主人様なんだから、その堂々たる態度で、上から目線はやめなさいよ! 私は……ソラファよ」


「えっ、ああ……ソロモンの指輪か……分かった、ソラファ、よろしく」


「分かればいいのよ……それで、あなたがマルバス?」


「そうだ! 我が名はマルバス! 魔界の皇帝ルキフェル様の配下であらせられる上級悪魔6柱の筆頭で宰相のリーパー様の側近の1人であり、魔界の18将校の1人として36軍団を率いる男爵とは私のことだー!!!!」


「終わった? 良かった……マルバス、あなた自己紹介が長いわよ!」


「いいだろソラファ! 酔いしれてるんだから! それで俺に何の用だ?」


「ああ……私、空飛ぶ魔法の馬車に乗って大空をドライブしたいんだけど、空飛ぶ魔法の馬車を出してちょうだい!」


「それなら、馬車屋で買ったらどうだ?」


「はっ? 馬車屋に空をドライブ出来る空飛ぶ魔法の馬車が売ってるわけないでしょ!」


「それなら……機械の箱で空を飛ぶやつ、あれ何て言ったっけ?」


「空浮艦のこと?」


「あっ、そうそう、それだ! それに乗って空を飛べばいい」


「あのね、自然と精霊を大事にしてる私のママ……エルフの女王の意向で空浮艦はエルフの国にはないのよ……それに風情がないでしょ、私は空飛ぶ魔法の馬車で飛び回りたいのよ!」


「なるほどな……あっ、いいことを思いついた」


「何?」


「ソラファ……悪魔ベリアルを召喚してくれ……」

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