大賢者ササーヤンのタラコボート
女神見習いココアサンドラと大賢者ササーヤンは、ビーチにやってきた……
太陽がさんさんと降り注ぎ、波も穏やかで気持ちが良い
(全く……アーサー王国は冬だって言うのに……リゾート地のにんじん島は、この暑さ……さ、い、こ、う……ここは天国だわ!!!!)
ココアサンドラがビーチに、ビーチパラソルを立てながらそう思っていると、隣のビーチパラソルの下の少女が喋りかけてきた
「あの、あなた、背中にサンオイルを塗ってくださる?」
「はっ? 自分で塗りなさいよ! って大体挨拶もなかったわね……あなた、一体誰よ」
「え~、私~、私は~、天使見習いの~、ミユナシアよ~、よろしくね~」
「ふ~ん、そ~なの~、よろしくね~」
「ちょっと! 私のモノマネしないでよ! あー、せっかくのバカンスが台無しだわ!」
そう言うと天使見習いのミユナシアはどこかに行ってしまった
そこに入れ替わるように大賢者ササーヤンが、トロピカルジュースを2つ持ってやってきた
「はい、ココアサンドラ」
「あっ、ありがとう……ほんと最高だね……これでバナナボートなんか乗れたらもっと楽しいのにね」
「バナナボート? 出そうか?」
「えっ、あるの?」
「あるわよ、タラコボート」
「何よ、タラコボートって!」
「待ってて、今出すから」
大賢者ササーヤンはそう言うと賢者の杖を取り出し呪文を唱えた……
「たーらこー、たーらこー、わーたしーのー、たーらこー」
すると目の前に、ふわふわと浮かぶ巨大な焼きタラコが現れた!
「ちょっと! なんで焼きタラコなのよ!」
「だって、生のタラコは乗り心地が悪いやん……」
「いや、そういうことを言ってるんじゃなくて……」




