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ペガサス2頭立ての空飛ぶ魔法の馬車

アルテミス郊外の美しい森の大きな湖のそばにカフェ・ド・セリーナを開いたセリーナはご機嫌だった


それは、過去のパティシエ世界大会の優勝メンバーの一人、巨大な白熊の獣人カゴシャンに店長として来てもらえたことで、開店当初から大繁盛となり、がっぽり稼ぐことが出来たからであった


さらに、その稼いだお金で新しい魔法の馬車を買ったのだ


今セリーナの目の前にある、その魔法の馬車は、ペガサス2頭立ての4輪馬車である






アイスの魔女セリーナはおもむろに空を見上げた……






今日は、空は晴れ渡りポカポカ陽気で、波も穏やかだと思われる


「よし、海へ行ってみよう!」


セリーナはそう言うとカフェ・ド・セリーナの店内に入り店長の巨大な白熊の獣人カゴシャンに言った


「カゴシャン、ちょっと新しい魔法の馬車で海の上をドライブしてくるわね」


「はい、行ってらっしゃいませ……」






セリーナは店を出ると自分の使い魔であるキツネのコンちゃんを召喚した






キツネのコンちゃんが現れた……






「セリーナ様、お呼びですか?」


「コンちゃん、馬車の御者台で手綱を引いてくれるかしら」


「かしこまりました……あっ、セリーナ様……セリーナ様に化けてもいいですか?」


「キツネのままじゃ、手綱が引きづらいのね……いいわよ、私に化けても」


セリーナが許可を出すと、たちまちキツネのコンちゃんは、セリーナそっくりに化け巫女の姿になった……が尻尾はそのままだった


「私に瓜二つだね」


セリーナにそう言われてキツネのコンちゃんは、ぴょんぴょん嬉しそうにその場で可愛く飛び跳ねた


「さあ、出発するわよ!」


セリーナが、魔法の馬車に乗り込んだ後、キツネのコンちゃんがペガサスに合図を送ると魔法の馬車は勢いよく飛び立ち、あっという間に高い空の真っ只中にいたのだった……






セリーナは歌を歌いだし、さっそく冷蔵庫からアイスクリームを取り出すと美味しそうに食べ始めた


突然キツネのコンちゃんが叫んだ


「セリーナ様!! 前からミニドラゴンがやって来ます!!」


「えっ? どれどれ……あっ、ほんとだ!」


そう言っている間に、ミニドラゴンは魔法の馬車と並走状態となりセリーナをじっと見ている


セリーナは窓を開けた……






強い風が魔法の馬車の中に吹き込んできた……






魔法の馬車に近づいてきたミニドラゴンは言った


「アイスの魔女セリーナ様ですか?」


「そうだけど……」


「私はルキ様の使い魔のリュウト君と申します……セリーナ様、ルキ様がお呼びです、すぐにアルテミス宮殿までお越しください……では私はこれで……」


それだけ言うとミニドラゴンのリュウト君は魔法の馬車と並走するのをやめ、飛び去って行った


「えっ、ルキが見つかったんだ! しかも使い魔って! やっぱりルキは魔界の皇帝ルキフェル様かもしれない! 急いでルキに会わないと……コンちゃん、予定変更よ! アルテミス宮殿に向かって!」


「分かりました、セリーナ様」






コンちゃんが魔法の馬車をアルテミス宮殿の方に向けた次の瞬間……


突然海面がせりあがり波しぶきと共に海水の柱が現れ、中から巨大な手が魔法の馬車をつかもうとした


セリーナとキツネのコンちゃんは叫び、間一髪巨大な手をかわしたが、馬車が一回転したため、開けたままの窓から冷蔵庫のアイスクリームが全部海へ落ちていってしまった


それを見たアイスの魔女セリーナは怒りで顔が紅潮し、その巨大な手に向かって魔法の杖で魔法を放った


「フリージングサンダー!!!!!!」


するとどんどん雷雲が集まりだしたかと思うと雷が轟き稲光がし始めた


そしてその巨大な雷雲の中から、巨大なパチパチと電気を帯びた鋭く尖った氷漬けの稲妻が出てきたかと思うと突然猛スピードで巨大な手に向かって飛び出していき、その巨大な手を突き刺したのだった


「ギャーッ!!!!!!!!」


叫び声と共に巨大な手は海の底へと消えていった……


難を逃れた魔法の馬車はアルテミス宮殿に向かって走り出したが、セリーナは、いつまでたってもぷりぷりしていたのであった……






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