宮廷魔術師リコッチー
「では大広間にご案内いたします」
アルテミス宮殿の執事の羊の獣人カール君はそう言って歩き出したが俺はあることを思い出しカール君に聞いた
「ねえ、カール君、ここにセリーナいる?」
「アイスの魔女セリーナ様でございますか? いらっしゃらないと思いますが……」
それを聞いた俺は聖女モモーナに言った」
「モモーナ、ちょっと先に行っててくれるかな」
「どうしたの? 」
「いいから早く行って」
「えっ、ルキ、怪しいわね……まさか1人でこっそりチーズケーキ食べる気じゃないでしょうね!」
「食べねーよ」
「まあ、いいわ……じゃあ先に行ってるわね」
「ああ……」
実は俺はどうしても早くセリーナに会って俺の魔力を感じられたか知りたかったのだ……
俺はすぐにリュウト君を召喚した
「ルキ様、お呼びですか? 」
俺はリュウト君に地図を手渡し、アルテミスから、もう開店していることを聞かされていたアイスの魔女セリーナの店、カフェ・ド・セリーナのある場所を指さし言った
「リュウト君、悪いんだけど、たぶんここに、アイスの魔女セリーナがいるから今すぐアルテミス宮殿に来るように伝えてもらえるかな」
「かしこまりました……では行って参ります」
俺は大広間に入った……立食ビュッフェパーティーが行なわれている……
俺は大広間を見渡しアルテミスとモモーナをすぐに見つけたが、その2人の隣には間違いなくアーサー王国のアイコディーナ王女だと思える女性がいた
俺は月の女神アルテミスのところまで歩いていきアルテミスに声をかけた
「はい、アルテミス、チーズケーキ」
「えっ、ルキ、ありがとう……ってチーズケーキ持ってきちゃったの?」
するとアイコディーナ王女がアルテミスに言った
「アルテミス様、この者は?」
「アイコディーナ……これが今話していたルキという者です」
「そう、あなたが……」
俺はその瞬間、アイコディーナ王女の正面に行き、両手を広げ会釈をし片膝をつき言った
「アイコディーナ様、お初にお目にかかります、ルキです……」
一方その頃、アルテミス宮殿の庭の奥に1人の魔術師の少女がいた
アイコディーナ王女の側近で宮廷魔術師のリコッチーである
天真爛漫な性格の彼女は、アイコディーナ王女と共にアルテミス宮殿にやってきたのだが立食ビュッフェパーティーには参加せずアルテミス宮殿の庭の奥で魔術の練習をしていた
宮廷魔術師リコッチーは、魔術師の杖を取り出すと振りかざし、そして振り下ろしながら叫んだ
「リコッチービーム!!!!」
その瞬間、杖の先からビームが勢いよく発射され、今、庭の奥にやってきたアルテミス宮殿警備副隊長ガオー大佐に命中したのだった
宮廷魔術師リコッチーの運命やいかに……




