ライオンの獣人ガオー大佐と羊の獣人カール君
「なにか、ものものしいな……」
モモーナとアルテミス宮殿に向かっていた俺はいつもと違う雰囲気を感じていた
このアーサー王国は、主に人族が占めていて、この国を治めるアーサー王も人族である
よって当然アルテミス宮殿を警備している兵士は普段から多くいたが、今日は特に多く感じた
俺と聖女モモーナは、アルテミス宮殿の門番の前にやってきた
「これはこれは聖女モモーナ様、どうぞお入りください……あっ、後ろの男!」
「俺っスか?」
「ああ、お前だ、従者は裏へ回れ!」
「誰が従者だよ」
その時モモーナが門番に言った
「このかたは、私の連れです」
「あっ、そうでしたか、これは失礼しました、どうぞお通りください」
俺はため息をつきながら、聖女モモーナとアルテミス宮殿の中へ入った
中に入るとすぐ、ライオンの獣人がやってきて言った
「モモーナ様、お帰りなさいませ、アルテミス様から聞いております……私は今日からこちらへ配属されましたガオー大佐です」
「えっ、ガオー大佐?」
俺は思わず聞き返してしまった……当然食われそうな勢いでガオー大佐に睨まれた
その時後ろのドアが開き、羊の獣人が出てきた
「モモーナ様、お帰りなさいませ」
「ただいま……あっ、ルキは初めて会うわね、こちらは執事のカール君よ」
「えっ、あっ、うん、初めまして、ルキです」
「初めまして、ルキ様、私はカール君です……大賢者ササーヤン様の紹介でこちらに参りました」
「そうなんだ……あっ、カール君、なんだか今日は、ものものしいね」
「はい、今日はアイコディーナ王女様がいらしておりますので」
「えっ、だからこの警備なんだ……」
「はい、さようでございます……では大広間にご案内いたします」




