可愛いうさぎの獣人ミーナ
「俺、ちょっと冒険者ギルドへ行ってくる」
俺が月の女神アルテミスにそう言うとアルテミスは言った
「ええ……あっ、帰りにチーズケーキ買ってきてくれる?」
「分かった」
アルテミスは俺に待つように言い聖女モモーナを呼ぶと言った
「モモーナ、ルキが冒険者ギルドへ行くから護衛としてついて行ってもらえるかしら」
「分かりました……ルキ、行くわよ、おいで」
「おい、モモーナ、俺はワンコじゃねーぞ!」
俺たちは冒険者ギルドに入った……
するとなぜか他の冒険者たちが皆俺たちのことを白い目で見てきた
(ん? 何でみんなそんな冷たい目で見てくるんだ?)
そう思っていると、1人の男が近づいて来て言った
「あんた……いつぞやの聖戦士マフィーナさんと一緒にいた冒険者だよね……その時あんたと一緒にいた黒いゴスロリの女の子が、最近この街でイタズラばかりしてるんだよ! どうにかしてもらえないかね!」
「そうなんですね……ごめんなさい」
俺が謝ると、その男は満足したのか去っていった
「うー、カーリンのやつ、何やってんだよ……って、ご主人様である俺がずっと放ったらかしてたのが悪いんだけどね……」
「カーリンって誰なの?」
聖女モモーナが俺に聞いてきた
「えっ、ああ……カーリンは俺専用のバトルアンドロイドだよ……」
俺は用を済ませるとモモーナと共に冒険者ギルドから出たが、俺はむしゃくしゃしていた……だが突然俺の頭の中にアルテミスが現れ、チーズケーキを買ってきてと俺に言う場面が浮かんだ
(アルテミスにチーズケーキを買ってくるように頼まれていたんだっけ……)
俺とモモーナは、近くのカフェに入ると、その店の人気のチーズケーキを食べ、コーヒーを飲んで2人で、まったり過ごしていた……
「いや、まったりしてる場合じゃなかった……モモーナ行くぞ!」
「待ってよ、あっ、ルキこれ見て! ここに行きたいな!」
モモーナの視線の先を見るとポスターが貼ってあった
【ぜひ テーマパーク アリーシャランドへお越しください】
「あっ、ここ俺も行きたい!!!!」
と同時に俺は思った
(アリーシャ様、元気でやってるかな……)
俺たちはアルテミスに頼まれたチーズケーキを買って店を出るとアルテミス宮殿に戻ることにした
やっとアルテミス神殿の前の長い階段の下まで来ると、階段の上から可愛いうさぎの獣人が降りて来たところだった
見覚えのある顔であった……
「あれっ、魔法の小型ハンマーの使い手のミーナじゃん、俺だよ俺、ルキだよ、久しぶり」
すると可愛いうさぎの獣人ミーナは俺を見て言った
「誰?」
「いや、誰じゃねーよ、ルキ様だよ!」
「私はミーナ将軍、貴族よ! あなたなんて知らないわ!」
「はっ? ちょっと、このうさちゃん、失礼なんですけど……」
するとミーナは時計のようなものを見ながら言った
「時間がない! あなたの相手をしている暇はないのよ! じゃあね!」
可愛いうさぎの獣人ミーナはそう言うと時速100キロで走り去っていったのであった……




