エルフの国のプリンセス・ソラファ
俺はエルフの国のソラファ王女の部屋にいた……
「あの……ソラファさんは、いつまでこちらにいらっしゃるのですか?」
「えっ、明日帰ろうと思ってますが……」
「本当ですか!!!! もしよかったら俺も一緒にエルフの国まで連れて行ってもらえませんか?」
「ええ、それは構いませんけど」
「良かった! ありがとうございます! ただ、このことはみんなには黙ってて欲しいのですが……お願いします……アルテミスには俺から話しますので」
「何かご事情がおありなのですね……分かりました……このことは秘密にしときますね」
「ありがとうございます!」
次の日の朝、俺はエルフの国のソラファ王女の大型馬車にこっそり乗せてもらい、アリーシャ公国にあるアリーシャ城からエルフの国へ向けて出発したのだった
自分の部屋にはアルテミスへ置き手紙を残した
アルテミスへ
いろいろあったけど俺はしばらく1人で考えたいので旅に出ます。探さないでください。ルキより
大型馬車の中て俺はソラファ王女と色んなことを話した
ソラファ王女とは馬が合うのか終始楽しかった
その中で俺がアイスの魔女セリーナの店、カフェ・ド・セリーナの話をすると興味深そうに聞いたあと俺に言った
「ルキさん……」
「もう仲間だし、呼び捨てでいいよ」
「はい、では……ルキ……カフェ・ド・セリーナの話、すごく興味深いわ! 今私、アリーシャ公国の美味しいパンをママに持って帰ってるんだけど、その時ママに相談してエルフの森の中にパン屋を開きたいって言おうと思ってるのよ……だって、こんなに美味しいパン、絶対みんなにも食べてもらいたいもの」
「すごくいい考えだと思うよ! 完成したら是非俺も行かせてもらうよ!」
「本当? うれしいわ! パン屋にはカフェを併設しようと思ってるのよ」
「おお! めっちゃいいじゃん!!」
話が尽きない俺とソラファであった……
昼になり、大型馬車は1軒のメシ屋の駐車場に入った
俺とソラファは大型馬車から降りるとあるものに気がついた
(ん? なにか駐車場の端に巨大な魚のオブジェらしきものが置いてあるぞ)
俺とソラファは近づきジィーっと魚を観察した
(マ、マンボウ? たしかにマンボウだ!)
次の瞬間、突然そのマンボウの目が開きマンボウが俺に話しかけてきた
「兄ちゃん、あんまジロジロ見るんやないでぇ~」
「わっ!! 魔獣だ!!」
ソラファが反射的に剣を抜いた
「待ってぇな、姉ちゃん!!!! ワイは飼い主がメシ屋で食べ終わるのを待っとるだけやねん……あっ! ちょうど飼い主が来たで~」
その飼い主という少女は俺たちに気づき走ってくると俺たちに言った
「何ですか? うちのマンボウちゃんが何かしましたか?」
「いや、何も……ところであなたは?」
「私は魔獣使いのナツーキスですけど」
俺とソラファは、ナツーキスに勘違いだったことを伝えるとナツーキスはホッとした様子で俺たちに言った
「そうですか……良かった……では失礼します」
その瞬間、突然マンボウが、ブルルン、ブルルンと言って浮かび上がった
「いや、口でエンジン音、言っとるがな!!!!」
だがマンボウは、俺のツッコミには何も答えず、ナツーキスを乗せると、森の奥のほうに飛び去っていった
それから数日後……俺たちはエルフの国へ着いたのであった……




