大賢者ササーヤン
何かを感じる……
何かがやって来る……
俺は後ろを振り返った
ドドドドドドドド……
見ると巨大ハリネズミモンスターが、すぐそこまで迫って来ていたのだった
「ギャーっ!!!!!!!!」
俺は、力の限り走った
だが、追いつかれ、もうダメだと思った瞬間……
「ご主人様ーー!!」
巨大ハリネズミモンスターの上から声がして、アルテミスの頼みでどこかへ行っていた黒きゴスロリ美少女バトルアンドロイド・カーリンが姿を現したのだった
「俺を踏み潰す気かよ……ていうかカーリン! どこ行ってたんだよ! ん? 後ろのメイドは誰?」
するとそのメイド服姿の可愛い少女は、巨大ハリネズミモンスターからカーリンと共に降りてきて俺の前に来て言った
「私は大賢者ササーヤンで~す」
「えっ、ほんとかよ! そんな可愛い大賢者いるのかよ! ていうか自分で大賢者って言うなよ!」
だが大賢者ササーヤンは俺の言葉を無視してカーリンに言った
「これが、カーリンのご主人様?」
「いや、これって言うなよ」
俺は大賢者ササーヤンにそう言いながら思った
(大賢者様が、なんでメイド服着てるんだよ……)
ともかく俺たちは、アリーシャ城に戻ることにした
巨大ハリネズミモンスターのことは後回しだ……
アリーシャ城に戻るとアイスの魔女セリーナがやって来た
大賢者ササーヤンは、アイスの魔女セリーナに急いで近づくと手を取り言った
「やあ、君がアイスの魔女セリーナでしょ?」
「ええ、そうだけど……」
「すごい魔女なんだってね! 魔獣使いのカーリンから、君のことも、君の仲間のことも聞いてるよ」
俺は思った……
(魔獣使いのカーリンって何だよ……あっ、そうか、コピー能力だな……コピー能力で魔獣使いの能力をコピーして魔獣使いになったんだな、カーリン……)
大賢者ササーヤンは、アイスの魔女セリーナとの会話を終えると俺の方に向き直り言った
「おい、カーリンのご主人様! ご飯はまだかな? みんな待ってるわよ」
「はっ? 俺はメシ係じゃねーよ」
アイスの魔女セリーナと大賢者ササーヤンと黒きゴスロリ美少女バトル……いや、魔獣使いカーリンたちは和気あいあいとアリーシャ城の中に入っていった
あとに残された俺は、巨大ハリネズミモンスターを見て思った……
(あっ、カーリンに巨大ハリネズミモンスターのこと聞くのを忘れてた……まあ、いっか……い、いや、いやいやいや、ペットには、しねーよ!!!!)




