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巨大な白熊の獣人カゴシャン

アイスの魔女セリーナは、昨夜、自分が泊まったアルテミス宮殿のゲストルームにある上品でオシャレな窓のカーテンを開けた……





気持ちのいい朝だわ……






アイスの魔女セリーナは背伸びをしながらアルテミス宮殿の美しい庭を見ながら昨夜のことを考えていた


(やっぱりレストランの食事は美味しかったわ……でも、あの戦士……たしかマフィーナって言ったっけ? 制限時間内にコロッケ100個食べたら無料にしちゃうチャレンジに挑戦してあっという間に最短完食記録を打ち立てちゃったけど、お腹大丈夫かしら……)


トントントン……


突然ノックの音がしたのでセリーナがドアまで歩いていきドアを開けるとそこにはワゴンに朝食をのせて運んできたメイドがいた


「セリーナ様、朝食でございます」


「ありがとう」


セリーナがメイドを部屋に招き入れると、メイドは部屋のテーブルの上に朝食を綺麗に並べてくれた






メイドが部屋から出ていくと、セリーナは朝食を食べるためイスに座りクローシュを開けた


その瞬間クローシュの中から何かが飛び出してきた


「えっ、何何何?」


よく見るとふわふわなフルーツパンケーキがふわふわと浮いているではないか


だがセリーナはすぐに落ち着きを取り戻しフルーツパンケーキを食べようとふわふわ浮いているフルーツパンケーキにそのままパクッとかじりついた


その瞬間、セリーナの舌は踊りだし、ほっぺたが痛くなったかと思うと、ほっぺたがとろける感覚に襲われ、おいしさで脳みそのシナプスが歓喜し、甘さで虹が見え、なめらかさでスキーをすべり、芳醇で鼻の奥に楽園が広がり、濃厚な泥の沼にハマったような……そんな味わいを感じたのだった


「これよ、これ!! 私はこんな美味しいものを、みんなで分かち合いたいのよ……決めたわ!! 私は、カフェを開くことにするわ!!!!」






セリーナは食事の途中にも関わらず部屋を飛び出し廊下を走った……






セリーナはアルテミスの部屋の前に来た……






セリーナがアルテミスの部屋のドアをノックするとすぐにドアが開きアルテミスの侍女が出てきた


「今は誰もアルテミス様にお会いすることは出来ません……あっ!」


セリーナは侍女を押しのけアルテミスの部屋に入り、広い部屋の中を走ってアルテミスの前に来た


アルテミスはたくさんの侍女に囲まれ、朝の支度をしていたが、セリーナに気づき言った


「セリーナ、どうしたの? そんなに慌てて」


「アルテミス様……」


「セリーナ、私たちはもう仲間なんだから呼びすてでもいいわよ」


「えっ、ええ……分かった……あっ、それでね、アルテミス! 朝食のパンケーキ誰が作ったのか分かる?」


「えっ、パンケーキ? ちょっと待って」


アルテミスは、そばにいた侍女たちに向かって言った


「この中で、朝食のパンケーキを作ったのは誰か分かる人いる?」


すると1人の侍女が進み出てきて言った


「恐れながら、アルテミス様……朝食のパンケーキを作ったのは、おそらくカゴシャンだと思います」


それを聞いたセリーナがアルテミスに言った


「アルテミス……カゴシャンさんって誰?」


「ああ……カゴシャンっていうのは、以前、アーサー王国の王都でパティシエ世界大会が開催されたんだけど、その大会でアーサー王国チームが見事優勝しちゃって……その時のアーサー王国のメンバーの一人がカゴシャンだったのよ……それで私、大会の後、カゴシャンに会ってアルテミス宮殿で働いてみない? ってダメ元でスカウトしたらアルテミス宮殿で働きたいって言ってくれて……それ以来アルテミス宮殿のパティシエの一人よ……でも、セリーナ、それがどうしたの?」


「あのね、アルテミス……私、カフェを開こうと思ってるの! それで、こんな美味しいパンケーキを出せたらなって思って……だからカゴシャンさんに、いろいろ教えてもらおうと……」


「そうなんだね……カフェか……いいわね! 素敵! 分かったわセリーナ……ちょっと待ってて……誰か、カゴシャンをここに呼んできてもらえるかしら」


「かしこまりました」


侍女の一人がカゴシャンを呼びに行き、しばらくするとアルテミスの部屋のドアがノックされた


侍女がドアを開けるとカゴシャンが入ってきた


「お呼びですか? アルテミス様」


「えっ!!!!」


思わずセリーナは大声を出してしまった


セリーナは自分の勝手なイメージで、カゴシャンは人族だと思っていたのだが、そこに現れたのは巨大な白熊の獣人だったのだ


「アイスの魔女セリーナが、あなたに聞きたいことがあるそうよ」


アルテミスがそう言うと巨大な白熊の獣人カゴシャンはチラッとセリーナを見た後、ゆっくりとセリーナに近づいてきて言った


「セリーナ様、私に聞きたいこととは何ですか?」


「あ、あのね……私……」






ちょうどその頃、朝食を食べ終えた俺の部屋をノックもなしに聖戦士クルセイダーのマフィーナが入ってきた


「な、なんですかマフィーナさん、突然……」


「ルキ……ちょっとアルテミスシティの冒険者ギルドへ用があるから付き合え! その後、併設の酒場で酒を飲むぞ!」


「えっ、朝から酒ですか?」


「嫌なのか?」


「いえ、行きます行きます、お付き合いします!」


「ああ、それと私のことは呼びすてでいいぞ、ルキ」


「ほ、ほんとにいいんですか? 殴りませんか?」


「殴るわけないだろ!!!!」


「そうか……じゃあ行くぞ! マフィーナ!」


ポカッ


「痛っ……マフィーナ、今殴らないって言っただろ!」


「なんかムカついたのよ……」


そこへ、黒きゴスロリ美少女バトルアンドロイド・カーリンがやって来た


「ご主人様、どうしたの?」


「えっ、いや、何でもない……そうだ、カーリンも今から一緒に冒険者ギルドに行くか?」


「うん、行きたい!」


こうして俺と聖戦士クルセイダー・マフィーナと黒きゴスロリ美少女バトルアンドロイド・カーリンは、アルテミスシティの冒険者ギルドへ向かうことにしたのであった……











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