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カーリン将軍……そしてササーヤン01

①サヤ・カーリン(通称カーリン)はルキ専用の美少女バトルアンドロイドである……あっ、ル、ルキ専用とは月の女神アルテミスにそう言われたからであって、決してエロい意味ではない……たぶん笑


②ササーヤンマートとはアルテミス国のカフェ・ド・セリーナの近くの草原にある大賢者ササーヤンが経営するコンビニエンスストアである


③ササーヤン研究所とはアルテミス国にある大賢者ササーヤンが所長の最先端技術研究所である


④月議院とはアルテミス国の選ばれし7名の議官によるアルテミス国の最高機関である


⑤ユーラユーラ社とはアリーシャ公国にあるアーサー王国の魔術省と双璧をなす、この世界トップクラスの最先端技術会社である

「ねぇ、ヘラ……これから2人で部屋を抜け出してデートしない?」


俺がヘラの耳元ギリギリまで唇を寄せてそう言うとヘラは俺の方を向いてニコッとして言った


「よいぞよ……」


俺はそれを聞きもう一度ヘラの耳元へ唇を寄せた……が突然すぐそばでヘラの側近、虹の女神イーリスの声がした


「何がよいのですか?」


俺はびっくりして思わず唇がヘラの耳に触れてしまった


「く、くすぐったいぞよ、ルキ」


俺はキョロキョロしてイーリスを探すと突然イーリスの顔がソファーの裏側からぬ〜っと出てきた


「わっ! またかよ!!!!」


俺がイーリスに抗議しようとしたのもつかの間、出し抜けにイーリスの逆側から声がした


「あれっ、そういえばルキ、なんでずっとヘラ様のそばにピッタリくっついて座ってるのよ」


その声の主は等身大の餅人形、エルフの国の王女ソラファだった


いつの間にか俺とヘラの真正面のソファーに、等身大の餅人形、大賢者ササーヤンと、等身大の餅人形、アイスの魔女セリーナと共に並んで座っている


ヘラはイーリスに、俺はソラファに言った


「何でもないぞよ」


「た、たまたまだよ」


それを聞いたイーリスとソラファは同時に言った


「あやしい!!!!」


「私もここへ来てからずっとあやしいと思ってたやん」


すぐにササーヤンも話に割り込んてきてそう言うと、ソラファがさらに俺に質問してきた


「ていうか、ササーヤンからルキがヘラ様と旅をしてるって聞いたわよ……一体どんな経緯いきさつがあって一緒に旅をしてるのよ!」


「別に一緒に旅をしたっていいだろ! ヘラ様にはいろいろと修行させてもらおうと思って一緒に旅をしてるんだよ!」


「ふーん……そうなんだ~……アルテミス国を捨てたんだ~」


「捨ててねーよ!」


俺とソラファがバチバチしてるのを見てセリーナがヘラに言った


「ヘラ様、うちのルキが粗相そそうはしてませんでしょうか?」


「粗相? 粗相なぞしておらぬぞよ、ルキは良い男なのでな」


するとすかさず3人の餅人形が……いや、もといササーヤン、セリーナ、ソラファが全く同じ驚きのリアクションをしながら言った


「えっ!」


「えっ!」


「えっ!」


俺はカチンときたので間髪入れずに3人に言い放ってやった


「えっ、じゃねーよ!!!!!!!!」


その時、突然、けたたましい、声にも似た爆音が聞こえてきた






……ヤンヤン……ヤンヤン……イヤーン……イヤーン……イッヤーン……イッヤーン……


「おい、何だよこの声みたいな音は! 一体どこから聞こえてるんだ?」


「あっ、私やん……」


「はっ、ササーヤンかよ、はよ止めろよ! 気まずいだろ」


ササーヤンは賢者の杖を取り出し何事か素早く空中に描く仕草をしながら呪文を唱えた


すると突然見るからに半魚人のような者が現れた


「紹介するやん、ササーモンやん」


俺はびっくりしてササーヤンに言った


「えっ! ササーヤンにも使い魔がいるんだ!」


「私は魔界とは関係ないやん、ササーモンは魚の妖精さんやん」


俺は心の中でツッコんだ


(いや、どうみてもサーモンの半魚人だろ!)


「さあ、ササーモン、みんなに挨拶するやん」


「はい、ササーヤン様……みなさん、こんにちは、僕ササーモンだもん!」


「よろしくね、ササーモン」


「よ、よろしくな、ササーモン……ササーモンってササーヤンの弟か何かなの? ぷぷぷ……」


「ルキ、ニヤケながらそんな事言ってるとササーヤンマートに出入り禁止にするやん!」


「どうしてだよ!」


「ササーヤンマート鮮魚コーナー担当のササーモンをバカにした罰やん!」


「バカにしてないよ……って、いつの間に鮮魚コーナー出来たんだよ!」


すると魚の妖精さんでサーモンの半魚人、ササーモンは俺の方に向き直ると言った


「あなたが、ルキさんだもん? ササーヤン様からお噂は聞いたことがあるもん! 今度ササーヤンマートにお越しの際にはオマケしますもん!」


「いい噂だといいんだけどね……」


俺がつぶやくとササーヤンが言った


「ルキだけはオマケしなくてもいいやん! それより何の用やん?」


「ああ、忘れてたもん、2つお知らせする事があるもん……まず一つ目は、先日の月議院会議で決まったカーリン将軍の任命が月の女神アルテミス様によって先ほど公布されアルテミス国民の知るところになったもん」


俺は驚いてササーヤンに聞いた


「えっ? カーリン将軍って? あのカーリンのこと?」


「そうやん、カーリンはアルテミス国の将軍になったやん」


「え~、大出世じゃん! カーリンのやつ、ご主人様より偉くなってどうすんだよ!」


「ルキも早く出世するやん」


「サラッと傷つくこと言うなよ」


「じゃあ、さっそく我が愛弟子カーリンに伝えてくるやん」


「おい、ササーヤン、無視すんなよ」


「あっ、ササーヤン様、待つんだもん! もう一つお知らせすることがあるんだもん!」


「そうだったやん、何やん」


「ササーヤン研究所からのお届け物なんだもん」


そう言いながら、魚の妖精さんでサーモンの半魚人、ササーモンはかっこいい腕時計のようなものを取り出した


するとササーヤンは分かっていたかのようなリアクションをしながら言った


「ああ、それはササーヤン01やん」


「発売の段取りがついたそうだもん」


「そう、それは良かったやん」


俺はそのキラキラ光っている腕時計を見ながら聞いた


「なんだよ、そのササーヤン01って」


「ササーヤン01とは、私が通信のためにもらったネックレスとイヤーカフの原理を応用して作った商品やん……この腕時計に埋め込まれた鏡張りの水晶鏡を画面として使うやん……水晶鏡の中にはササーヤンシステム、SSが内蔵してあって、今は4つの事が出来るやん……一つ目はもちろん通信やん……二つ目は今まで大掛かりだった写真が一瞬で撮れて保存出来るやん……三つ目はそれを応用して動画も保存出来るやん……そして四つ目はチック・タックというコミュニケーションプログラムに載せれば他人の写真や動画を見ることが出来るやん」


「す、すごいじゃん! もうユーラユーラ社軽く超えちゃってるよ! 大儲け出来るな!」


「儲けるために作ったんじゃないやん! それに今は水晶波ネットワークを利用してるから、巨大水晶玉基地局があるアルテミス国内でしか使えないやん」


するとソラファが話に割り込んできて言った


「なんだ、私ネックレスとイヤーカフ結構気に入ってたのにな……」


「ネックレスとイヤーカフは今まで通り国外用で使えばいいやん……この世界全体で使えるようになるのはまだまだずっと先やん」


「そうよね!良かった!」


「いいなー! 俺も欲しいなー! ササーヤン俺にも一つくれよ」


「じゃあ、お金払うやん!」


「はっ? 金取るのかよ!」


「当たり前やん!!!!」


すると目を輝かせながらセリーナが言った


「私、私、私、それが発売されたらすぐに買って動画をチック・タックに載せたいわ! 自分の伝えたいことをみんなに知らせることが出来るなんて素敵ね……あっ! そうだわ…… これ店の宣伝にも使えるわね!」


「なんだよ、店の宣伝もいいけど、いっその事、3人で歌とかダンスとかを撮って載せれば?」


俺はセリーナに軽い気持ちで言ったのだが……


「えっ! いいわね、それ! たまにはルキもいいこと言うのね」


セリーナはめっちゃ乗り気である……


「褒めるならちゃんと褒めろよ……セリーナはいつもひと言多いんだよ……ったく……あっ、ヘラ様、発売されたら一緒に買いに行きましょうね……って旅の途中だし、旅が終わってからですよね」


「そのことなんじゃがな……ルキ、耳を貸すのじゃ」


「何ですか? さっきの仕返しに耳をくすぐるのはなしですよ」


「よいから、貸すのじゃ」


ヘラは俺の耳を引っ張った


「痛っ……は、はい、分かりました」


「実はな……問題が解決しそうなのじゃ……もし解決したら一度アルテミス国へ帰ろうと思うのじゃがどうじゃ?」


俺は、みんなを見た……


みんなは、ササーヤン01を見ながらわちゃわちゃしている


俺は素早く右手でヘラの肩を抱き、引き寄せたあとヘラの左耳に自分の唇をつけ言った


「もちろんいいよ……俺はどこまでもヘラのそばにいるから……」


そして俺はヘラを連れテラスの前の大きな窓のそばの大きなカーテンの中へテレポートした


薄暗いカーテンの中で俺はヘラをギュッと抱きしめ自分の頬をヘラの頬につけた


ヘラは俺の背中に手を回してきた


その時突然セリーナが俺とヘラの名を呼んだ


「あれっ? ルキとヘラ様はどこ?」


俺はセリーナの声に構わず自分の頬につけたヘラの頬をゆっくりとずらしていき自分の唇をヘラの唇の近くで止めた……俺の鼓動は早くなった……ヘラはれたように自分からゆっくりと唇を動かし始めた……俺はそれにこたえるかのようにヘラの唇に自分の唇を重ねたのだった……

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