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神と喧嘩した悪魔

エルフの国のプリンセス・ソラファは、カフェ併設のパン屋【ル・パン・ド・ソラファ】を経営している

「な……なんなの、この感覚……体が重いわ……それに、どこよ、ここは……」


エルフの国のプリンセス・ソラファは、オリンポスの大女神ヘラに……そうヘラ、ヘラ、ヘラ……もうとにかく綺麗で可愛くて聡明そうめいで優しくて、ほんと完璧な俺の嫁……じゃなかった、まだ婚約中なんだけど……それがさ、身分差があっておおやけにもできず、周りにも彼女だって紹介も出来なくってさ……ん? おーっと、話が脱線しちゃったよ……何の話だっけ? そうそう、その完璧な女性である俺の彼女ヘラに言われてソラファは、カフェ・ド・セリーナの厨房の冷蔵庫の前に横になって目を閉じたんだけど、すぐ何かに体を包まれ浮き上がり空を飛んでいるかのように感じたあと、突然ヘラの声が聞こえて目を開けるとまばゆい光の中にいて、今ようやく周りの景色が見えてきての感想だったと言うわけなのさ……






ソラファの慌てふためく声を聞いてソラファの隣にいる、アイスの魔女セリーナの等身大の餅人形の、さらに隣にいる大賢者ササーヤンの等身大の餅人形はソラファに言った


「ここは、アーサー王国の王都の地下にあるコロシアム、ギネヴィア・アリーナの4階にあるヘラ様のVIPルームやん……そして、この感覚は、ヘラ様が五感と能力の全てを、元の体から、ここでの仮の体に移したやん……ただ私は周りの声しか聞こえなかったから分からないけど、たぶん、この仮の体は、お餅の人形だと思うやん」


驚くソラファに、隣にいる等身大の餅人形アイスの魔女セリーナは言った


「まっ、いいから、とりあえずヘラ様の所へ行ってアイスを食べましょうよ……」






その3人の等身大の餅人形を見ていた西風と豊穣の神ゼピュロスはヘラの側近で虹の女神で元カノであるイーリスに言った


「えっ、すげーな! ちょっとイーリス、こっち来て見てみろよ!」


「私はいいわ……」


「いいから、そう言わずに、こっち来てみろって!」


西風と豊穣の神ゼピュロスが、そう言いながら元カノである虹の女神イーリスの手首をつかみ引っ張った


「痛いっ! やめてよ!」


イーリスがそう叫んだ次の瞬間には反射的に俺はゼピュロスとイーリスの間に割って入り、ゼピュロスがつかんでいるイーリスの手首を引き離しゼピュロスに言った


「やめとけ」


「はっ? なんだ貴様、人族の分際で神にたてつく気か?」


「俺は人族じゃねーよ」


「何言ってる、お前からは何のオーラも力も感じないぞ」


「そうか……じゃあ、教えてやるよ、俺はな……」


その時、ヘラが叫んだ


「ルキ! やめるのじゃ!」


だが俺は言葉は飲み込んだものの興奮のあまりヘラの声を無視しゼピュロスの胸ぐらをつかみメンチをきった


ゼピュロスも俺の胸ぐらをつかみ鋭い眼光でにらみ返してきた


「ゼピュロスやめるのです! こちらへ来なさい!」


たまりかねたデメテルが強い口調で言った


「チッ……お前覚えとけよ……」


西風と豊穣の神ゼピュロスは俺に捨て台詞を吐くと俺から乱暴に手を離し大地と豊穣の女神デメテルのそばに歩いていった


それを見てヘラがデメテルに言った


「デメテル……そやつを連れて今すぐこの部屋から出ていくのじゃ!」


「はい、ヘラ様……分かりました……お騒がせして申し訳ありませんでした……」


「よいのじゃ……」


デメテルは等身大の餅人形のササーヤン、セリーナ、ソラファに一瞥いちべつをくれるとヘラに言った


「とにかくつぐないは出来たようですね……では、ヘラ様、私たちは、これで失礼いたします……またお会いできる日を楽しみにしております」


「うむ……また会おうぞ」


だがデメテルは急に思い出したようにヘラに言った


「あっ、私、この部屋のメイドを追い出してしまいましたわ……ヘラ様、メイドの代わりにフローラを置いていきましょうか?」


「よいのじゃ……メイドの仕事はルキにさせるのでな」


「そうですか……分かりました、では……」


大地と豊穣の女神デメテルは漆黒のローブに付いてあるフードをかぶると花と豊穣の女神フローラと西風と豊穣の神ゼピュロスを連れ部屋から出て行ったのであった






虹の女神イーリスは少し落ち着いたのかホッとした表情で俺に言った


「ありがとうルキ…………と私がルキに言うとでも思った? あんなやつ、ルキに頼らなくても私1人で何とか出来たんだからね!」


「ああ、そうかよ!」






そこへ、等身大の餅人形、大賢者ササーヤンと、等身大の餅人形、アイスの魔女セリーナと、等身大の餅人形、エルフの国の王女ソラファがヘラのすぐそばまでやって来た


本人と見間違えるほどリアルな3人はまるでアイドルのような花柄の衣装を着ている


「な~に、熱くなっちゃってるのよ、ルキ」


ヘラ様に礼を尽くしているソラファの横で等身大の餅人形、アイスの魔女セリーナが手のひらから何か丸い物を出しながら俺に言った


「いいだろ別に……」


「まあ、私たちの体も、つきたてで熱々だけどね」


「はっ? なんだそれ!」


「いいから、これでも食べて落ち着きなさいよ」


俺はセリーナの手のひらから丸い物を受け取りながら言った


「なんだよ、この丸い物は」


「これは、私の魔法で、私の体の内側から丸いバニラアイスが表面に出てきた瞬間、お餅の皮によってくるまれたものよ」


俺は一口食べた


「えっ! めっちゃ、うまい! これは間違いなく売れるぞ!!!!」


そこにいる全員が次から次へとセリーナの体の内側からセリーナの手のひらに出てくるお餅の皮に包まれた丸いバニラアイスに舌鼓したつづみを打ちながら食べていたが、突然ソラファが言った


「これ、ほんとに美味しいわね! まるで雪みたいで可愛いし……私の店でも売り出して見ようかな」


すると大賢者ササーヤンが意味ありげに言った


「売り出すのはやめとくやん……かの高名な芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチもこう言ってるやん……誰も他人のやり方を真似すべきではない……ってね……」


「どういうことだよ、ササーヤン、これと似た商品見たことあるのかよ」


「この世界にはないやん」


「えっ、じゃあ、神界か天界か魔界に売ってるってこと? まさか魔法界や冥界じゃないよな」


「そのどれでもないやん……」


「じゃあ、どの世界だよ」


「それは……研究中に虹の隙間に出来た空間のゆがみによる扉からドローンを飛ばしたら大巨人が居て、そこの食卓にいた子供が今セリーナが出したアイスと似たようなものを食べてたやん」


「大巨人ってこの世界にいるようなやつか?」


「いえ、全く違ったやん……」


「なんだよ、ササーヤン、夢でも見たんじゃないのか?」


「ルキ、信じないなら殺すやん」


「おい、普段冷静なやつが、そういうこと言うと冗談でも余計怖いんだよ」


「冗談じゃないやん!」


「おい! なら余計怖いんだよ!」


その時ソラファが言った


「ねえ、もう売るとか、売らないとかはどうでもいいじゃない……美味しいんだから今を楽しみましょうよ」


(はっ? ソラファが売ろうって言ったんだろ!!!!)


俺はソラファの逆襲が怖いのでそれは言わないでおいた……


俺は話題を変えた


「それはそうとほんとに3人とも、まるで本人と見間違えるくらい精巧な作りだな……ちょっとセリーナ触っていいか?」


「えっ、どこ触ろうとしてるのよ、エッチ」


「いや、手だよ手! 肌がどんな感じかちょっと触りたかっただけだよ!」


するとササーヤンが言った


「私を触るやん、もち肌やん」


「だろうね……餅人形なんだし……」


俺は冷めた目で静かにツッコんだ


その時テラスから声が聞こえた


すかさずイーリスがテラスに向かった


それを見てヘラが俺に言った


「ルキ、何か冷たい飲み物を持ってくるのじゃ! ルキのせいでメイドがおらんようになったのじゃからな!」


なぜかヘラはプリプリしていた……


すぐにテラスから戻ってきたイーリスがヘラに言った


「ヘラ様、凶暴なマンモスの搬入が遅れているので、決勝の開始時間もしばらく遅れるとテラスのベット・マシーンが言っております」


「なんじゃと!!!!」


その時、俺はふいに思いついてヘラに近づき、ヘラの耳元ギリギリまで自分の口を寄せてささやいた……


「ねぇ、ヘラ……これから2人で部屋を抜け出してデートしない?」


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