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ルート変更

俺とオリンポス最高神ヘラ様と虹の女神イーリスは、最新式小型空浮艦ココアサンドラ号のテレポートルームから出て、エレベーターに乗り込むとコックピットと居住スペースがある階のボタンを押した


エレベーターは上昇を始めた……






しばらくするとエレベーターは止まり静かにドアが開いた


俺たちは、ほぼ3LDKの居住スペースへ移動し、リビングのソファーに座った


「マリア! パン買ってきたぞ!」


俺が叫ぶと、ココアサンドラ号の中枢コンピュータが3Dホログラムを元に肉体をも自ら作り出すリアルな人族の姿をした、言わば感情を持ったAIオペレーターのような存在の女性マリアが、突然リビングに現れ、俺たちが買ってきたパンを受け取ると言った


「ありがとう……これで、まあ……何とかなるでしょ」


するとヘラ様が唐突に言った


「わらわは、すぐに王都へ行くぞよ!」


俺はヘラ様に言った


「えっ、ヘラ様……すぐに王都へ行かないから今パンを買って来たのですよ!」


「気が変わったのじゃ! マリア、すぐに王都へ行ってたもれ」


俺はピンと来た


「あっ、ヘラ様、そういえばパン屋に貼ってあったポスターを熱心に見てましたね……たしか、でかでかと、異種生物格闘レース開催がどうとかこうとか……」


「うっ、バレたでおじゃる……そうじゃ、レースじゃ……わらわは、異種生物格闘レースが見たいのじゃ!」


「ヘラ様、この寒さで行なわれる異種生物格闘レースなんて盛り上がらないと思いますよ」


「な、ん、じゃ、と、?」


ヘラ様は俺の両肩を持ち、揺すり始めたので俺の頭はガクンガクンと揺れた


「わらわは、見たいのじゃ~!!」


するとマリアが水晶玉に過去に映し出されたデータの中から、異種生物格闘レースの情報を見つけ、リビングの大型モニターに映し出した


「あった……これだわ……ヘラ様、これですか?」


「そうじゃ、これじゃ!」


俺は声を出して読んでみた


「ギネヴィア・アリーナ完成記念、異種生物格闘レース開催決定、メインレースはマンモス出場予定……なるほど……ヘラ様、ギネヴィアって、以前アーサー王様の第2王妃だった方ですよね? 息子は、たしかガヘリス王太子」


「そうじゃ……マリア、ルキに説明してたもれ」


「分かりました……ルキ、つまりね、元アイコディーナ王女が捕まり監獄島送りになったから、アイコディーナ王女のママであるケレス第1王妃が、表向きは実家へ帰ったことになってるけど、実は追放だったらしいのよ……で、その後ガヘリス王太子を擁立しようとする一派のおかげでガヘリス王太子のママであるギネヴィア第2王妃が第1王妃に繰り上がったわけよ……そしてそのギネヴィア第1王妃が今破竹の勢いで、このギネヴィア・アリーナのような建物に象徴されるように影響力を増している……そうですよね? ヘラ様」


「そうじゃ、じゃが、ひとつ付け加えるぞよ……元ケレス第1王妃は、国民には隠しておったのじゃが、実はオリンポスの大地と豊穣の女神デメテルなのじゃ」


それを聞いた俺はヘラ様に言った


「ああ、そういえば、たしかアイコディーナ……今はディーナ様だけど、ディーナ様がココアサンドラ号にいらした時、ヘラ様がディーナ様に言ってましたよね……女神デメテル様の娘……つまりアーサー王様と女神デメテル様の娘のディーナ様は、ハーフゴッドと言うことになりますね」


「そういうことじゃな……ところでルキは、すぐ王都に行くことには反対なのかの? そんなにパン生活がしたいのかの?」


「えっ? いや、それは……ヘラ様、すぐに王都へ参りましょう!!!! マリア……経路を王都へ向けてくれ」


「分かったわ……」


こうして最新式小型空浮艦ココアサンドラ号は一路王都を目指すこととなったのであった……


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