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復活の兆し

エレベーターが開いた……


俺はエレベーターが開いた瞬間、そこには闇の世界が待ち受けているとばかり思っていたが、ヘラ様が言うように確かに外は月明かりで明るかった


「イーリス、全速前進じゃ~!!」


「は〜い!!」


虹の女神イーリスにおんぶされたオリンポスの最高神ヘラ様が右手で王笏を高々と掲げ上機嫌でそう叫ぶとイーリスは返事をしてエレベーターの中から湖の方へ全速力で走り出して行った


俺は自分の使い魔でミニドラゴンのリュウト君に言った


「さあ、俺たちも行こうか……しかしヘラ様、何か楽しそうだな……あんな無邪気なヘラ様を見てると、こっちまで幸せな気分になるよ」


「そしてそんなヘラ様が大好きだと?」


「そうそう、そんなヘラ様が大好き……ってリュウト君! 何言わせてくれちゃってるんだよ!!!!」


「ルキ様、告白の巻ですな! ガハハハハ」


「いや、ガハハハハじゃなくて!!

リュウト君、違うんだよ……いや違わないけどね……今のはあれだよ、リュウト君が言わせたんだからね!!」


「まあまあ、ルキ様、そう熱くならずに……それでその事を私が口外しない見返りには何を頂きましょうかね、ガハハハハ……まっ、それは冗談として」


「いや、冗談なんかい! リュウト君って怖いね.……敵に回さなくて良かったよ……ずっと俺のそばにいてくれよ」


「それはもちろんでございます、私達ミニドラゴンの種族は義理堅いのです、ルキ様に助けて頂いたご恩をお返しする為、私は一生おそばでお仕えする所存でございます」


「なんか、お、重いね……ありがたいけど……もっと軽くてもいいかな……気が向いた時に来てくれたらいいから」


「ルキ様!!!! 他に誰かいい使い魔が現れたんじゃありませんよね……私は許しませんよ!」


「何か彼女みたいだね……とにかくリュウト君には感謝してるよ、いつもありがとう」


「いえ、こちらこそ良いご主人様に巡り会えて幸せでございます……ところでヘラ様の王笏を見て思い出したのですが魔界から新しい剣をお持ちしました」


「へぇー、どんな剣?」


「はい、マジカルデビルソードと言いまして剣自身に意思があり使いたい時は召喚する形になります……まあ使い魔のようなものですね……まさに魔剣でございます……ただ結構破壊力が強いので気をつけて使ってください」


「分かった、ありがとう」





俺たちが湖に向かうとヘラ様をおんぶしたイーリスがこちらへ猛スピードで走ってきていた


「あれっ、ヘラ様もうお帰りなのかな?」


だが何か様子がおかしい……


ヘラ様は笑って楽しそうだがイーリスは真剣そのものだ、いやむしろその表情は怖いほどだ


近寄ってきたので俺はイーリスがてっきり止まるものだと思い言った


「イーリス、ごめん……俺も色々悪かったよ」


だがイーリスは俺に後ろ後ろとだけ言い残し俺とリュウト君を通り越しそのまま走り去ってしまった


「後ろって何?」


だが俺がそう言った途端、ヘラ様をおんぶしたイーリスが来た方向の闇の中から地響きと共に大きな音がしてきた


俺とリュウト君は目を凝らした……


次の瞬間その大きな音の主が月明かりに照らされてハッキリと浮かび上がった


「マ、マンモスだーー!!!!」


超巨大なマンモスを先頭にマンモスの群れがこちらへ地響きと共に近づいてきている


そして先頭の超巨大なマンモスがあと数十メートルに迫った時、リュウト君が叫んだ


「ルキ様、飛んで!!!!」


俺はその瞬間、背中が熱くなるのを感じ、気づいたらマンモスの群れは遥か下を走っていた……


「ルキ様、やはり飛べるのですね、わたくしはルキ様のオーラの変化を感じておりました……それにもし飛べなくてもわたくしがルキ様を抱き抱えて飛ぶつもりでおりました」


「えっ、リュウト君、なんて優しいの……ん? そ、そうなんだよ! リュウト君……それが飛ぶきっかけをくれたのは風呂に入ったカツオの半魚人のおかげなんだよ!!!!」


「えっ……風呂に入った何ですって?」


「いや、何でもない……とにかく2人とも無事で良かった……ヘラ様とイーリスも無事だといいけど」


「ええ……ですがおそらく大丈夫ではないでしょうか……イーリス様は混乱して走っておられましたが飛べるのですよね?」


「ああ、飛べるどころかこの世界でも一、二を争う速さで飛ぶ虹の女神だよ」


「それはどうも、ルキ様にお褒め頂くなんてわたくし光栄ですわ」


突然あらぬ方向から声が聞こえ、俺とリュウト君がその嫌味たっぷりな言い回しが聞こえた方を振り向くと、そこにはヘラ様をおんぶしたイーリスがいたのであった……

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