表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

145/188

月の女神アルテミス聖女モモーナを悪魔から連れ戻す

「はい、アルテミス様……見つけました……間違いありません……場所は……」


アルテミスに場所を伝えた瞬間、その男はその場の違和感に気づいた


「えっ、ど、ど、どうしてここに……」


そう言ったその男はおそらくその場のアイスの兵士達の上官と思われるが、たじろいだまま動揺を隠せないでいた


なぜなら突然ヘラ様に続いて俺とイーリスがソフトクリーム型小型空浮艦のコックピットの中に突然現れたからだ


コックピット内にいた数名のアイスの兵士達が俺達に向かって一斉にアイス銃を構えた


その瞬間、アイスの兵士達の上官は我に返りヘラ様の方を見て言った


「ま、待て! 全員アイス銃を下ろすのだ! このお方は、あのオリンポス山の大女神様、ヘラ様であらせられるぞ!!!!」


その瞬間、アイスの兵士達は皆驚き慌ててアイス銃を投げ出しその場にひれ伏した


俺が床の上に投げ出されたアイス銃を見るとどのアイス銃もいつの間にか銃身がS字に曲がっていた


「へ、ヘラ様……どうかお許しください」


アイスの兵士達の上官と思われるその男は震えながら言った


俺はヘラ様が答える前にその男に聞いた


「アルテミス様はモモーナをなぜ連れて来いとあなた方に命令したんですか?」


「そ、それは存じ上げませんが……」


その時不意にヘラ様が言った


「アルテミスがモモーナの所に来ておるぞよ……ルキ、イーリス……行くでおじゃる」


そう言うとヘラ様はテレポートして消えた……俺はイーリスを見たがすでにいなかった……俺もすぐさまテレポートした





月の女神アルテミスは聖女モモーナの隣に座っていた……ヘラ様、イーリス、俺の順番でココアサンドラ号のリビングへ現れたちょうどその時モモーナはアルテミスに私はオリンポスへ行くと宣言した所だった……


「ちょっとモモーナ……オリンポスってどういうこと? この大事な時にルキと国外旅行?」


「ヘラ様も一緒よ!」


「分かってるわよ! とにかくルキと一緒に国外へは行かさないわ……私はコーチス王様からあなたを預かっている責任があるのよ……それにあなた言ったわよね! 新政府を手伝うって……」


「言ったわ……でもアルテミス……なぜココアサンドラ号がササーヤンマート前の草原から飛び立ったことを知っているの? まさか私を見張ってたんじゃ……」


「えっ、そ、そんなことはないわよ……た、たまたまササーヤンから聞いたのよ……ってルキ!!!! もしかしてあなたがモモーナをそそのかしたんじゃないの? 国外へ行きたければあなた一人で行けばいいじゃない!!!!」


アルテミスは俺を睨んだ……


俺はアルテミスの迫力に驚き恐れおののいていた……するとヘラ様が言った


「アルテミス、わらわもおるぞよ……それで……アルテミスはどうしたいのじゃ?」


その瞬間ハッとしたようにアルテミスはヘラ様に礼を尽くした後、一呼吸置いてからヘラ様に言った


「申し訳ございませんヘラ様……ただモモーナには私のそばで新政府を……いや国作りを手伝ってほしいのです」


幾分落ち着きを取り戻したアルテミスは再びモモーナに向き直り言った


「モモーナ……酷い言い方をしてごめんなさい……でもあなたの為でもあるのよ……それにセントモモーナ礼拝堂にはあなたを一目見ようと毎日たくさんの信者が押しかけて来てるのよ」


聖女モモーナは深いため息をついた後、ついに観念したかのように真剣な表情になりアルテミスに言った


「アルテミス様、分かりました……私は約束通りアルテミス様を手伝います」

 

それを聞いたアルテミスはパァーッと表情が明るくなったかと思うと急に優しい声でモモーナに言った


「モモーナ、分かってくれたのね……ありがとう……悪魔に騙されなくて本当に良かった」 


俺はすかさずアルテミスに言い放った


「誰だよその悪魔って……」


「ルキに決まってるでしょ」


アルテミスの冷たい視線が俺を襲う……


そのなんとも言えない空気の中、モモーナは俺に言った


「そう言うことだからルキ……私は行けない……」


「モモーナ……」


俺はモモーナにかける言葉が見当たらず黙っているとモモーナは俺の気持ちを察したかのように自分の部屋におもむろに向かうと部屋でトランクに荷物を詰め再びリビングに戻ってきたのだった


そしてそのままモモーナは俺の顔を一度も見る事もなくアルテミスによってテレポートしアルテミスと共にその場から消えたのであった……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ