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女神ヘラにとろけた悪魔……そして魔王ベレト

眩しい‥


窓から日が差し込んでいる


どうやらカーテンを閉め忘れたようだ


俺はベッドから降りると窓まで歩いていき、オシャレな両開き窓の取っ手を持ち、両手で左右に開きながら勢いよく開けた


その途端、冷たい新鮮な空気と共にいろんな森の音が一斉に飛び込んで来て俺は一瞬で包み込まれた


最高の開放感だ


鳥の鳴き声……緑あふれる景色……


俺は深呼吸をした


眼下を見下ろすと風で目一杯なびいている生き生きとした草原の草が夜露で濡れているのかキラキラと煌めいている


俺は視線をゆっくりと上げた


草原の先にササーヤンマートが見える

良い天気だ


俺は良い気分で自分の部屋を出てリビングへと向かった


リビングに入るとヘラ様がソファーに座り、リビングのソファー正面にある壁のやや上に取り付けてある大型モニターの下にある水晶玉でアーサー王国のニュースを見ていた


ヘラ様は薄く白い生地のナイトドレスを着ていた……色香が半端ない……さらにものすごいオーラ、そして美貌……


俺はその女神本来の神々しく完璧な美しさに加え、この世のどんなものより美しいその色香に胸が高鳴った‥そしてヘラ様に近づくにつれ甘美な香りがたちまち俺を永遠の虜にした


ヘラ様のそばまで来た俺は、もうどうしようもないほど、この上ない喜びが心の奥底から溢れ出してきていた……それはまるで波のように押し寄せ、俺の脳内は歓びに浸り……我を忘れ……理性が吹っ飛び‥今すぐヘラ様に抱きつき、永遠にその身体をぎゅーっと抱きしめたいという情熱にも似た感情が、ものすごい勢いで俺の体の奥底から湧き上がってくるのを感じた


俺はヘラ様の真横に座った


間近で見るとたまらなく可愛い


俺は一瞬で身も心もとろけてしまった 


「ヘラ様、おはようございます」


俺が熱い目でそう言うとヘラ様は流し目で俺を見ながら色っぽい声で言った


「ルキ……おはよう……って、そなた近いぞよ」


「あっ、すいません……離れて座ります」


「いや、よい……そのまま座っておるのじゃ」


「はい……」


俺とヘラ様はしばらく見つめ合っていた


その美しく魅力的な瞳を見ていると俺は狼……いや悪魔になって襲いかかりたくなるくらい心が震えドキドキがとまらなかった……いや俺は悪魔なんだけれども……


その時、突然マリアが現れ言った


「お邪魔だったかしら?」


マリアが言うとヘラ様が言った


「大丈夫じゃ! 何のようなのじゃ?」


ヘラ様は少しぷりぷりしていた


「いえ……ルキに大型モニターの追加ボタンについて説明しようと……」


「では、わらわは部屋に行くのじゃ……朝ご飯が出来たら呼びにくるのじゃぞ……ルキ」


「はい、分かりました……ヘラ様」


ヘラ様が自分の部屋の方に歩いていくのを見てマリアは言った


「ルキ……大型モニターのリモコンに新しいボタンを2つ追加しといたから」


「えっ、そうなんだ、で何のボタン?」


俺はそう言いながら、心の中ではタイミング悪すぎだぞマリア……と思っていた


「ええ、今まで大型モニターでは、船外カメラの映像だけしか見られなかったけど、新しい2つのボタンの、まずひとつ目は、国と地域を超えた組織である各国の冒険者ギルドの、最新の掲示板の依頼書が見れるボタンよ……で、ホーム画面はもちろんアルテミスシティの冒険者ギルドの依頼書に設定してあるわ」 


「すごいな! パーティー作って出来そうな討伐とかやろうかな……で、もう一つのボタンは何?」


「もうひとつのボタンはササーヤンマートの最新の広告が表示されるボタンよ……お買い物に便利だなと思って」


「それは助かるな……さすがマリアだ」


「それほどでもないわよ」


だがマリアは嬉しさを隠しきれずニヤけていたのであった……




トントントン……


カフェ・ド・セリーナではアイスの魔女セリーナとエルフの国のソラファ王女が2階の空いた部屋の扉にエルフの国の臨時大使館と書かれた木の板を釘で打ちつけていた


「これでよしと! あとは臨時大使館職員ね……」


ソラファが言うとセリーナが言った


「もちろん私もソラファを手伝うからね! あっ、そうだ! ユーカリスにも手伝わせましょうよ! そうだ、それがいいわ! カフェ・ド・セリーナのアルバイト店員兼エルフの国の臨時大使館職員……いいじゃないの! さっそく今度バイトに来た時に頼んどくわ」


ソラファがセリーナに何が言いかけた途端、突然悪魔犬グラシャラボラスが現れた


「おわっ! びっくりした! あっ、グラちゃん、おかえり」 


「ソラファ……ただいま……連れてきてやったぞ」


「えっ、誰を?」 


「魔界の王の一人、悪魔猫ベレトさ」


するとそこへ階段を上がってくる音がした……ソラファとセリーナが階段の方を見るとそこにはブーツを履いた一匹の猫がいた……すぐさまセリーナは言った


「ちょっと、あなた靴は脱ぎなさいよ!!!!」


「えっ、靴? ああ……ここではそういうものなのか? すまない」


悪魔猫ベレトがブーツを脱ぐのを見てソラファが言った


「この猫ちゃん、かわいい〜!!!!」


ベレトに走り寄って抱きしめようとするのをすんでのところで交わした魔王ベレトは言った


「私は猫ちゃんではない! ベレト様と呼べ!」


「あれっ、ベレちゃん、口元に何か白いものがたくさんついてるわよ」


セリーナがそう言うとベレトは言った


「俺の命令を軽くかわした上に、速攻でニックネームつけやがったなこの魔女は! あとこれは白いものではない……バニラアイスだ!」


「なんでバニラアイスがついてるの?」


すると悪魔犬グラシャラボラスは言った


「ああ……それは昨日バニラアイスで出来たセリーナ城を見た瞬間にベレトを呼んでこようと思ってさ……何しろベレトは甘いものが大好物だからな……で、さっき俺とベレトでセリーナ城を舐めまわしてきたんだよ」


「はっ! 何してくれちゃってるのよ、このアニマルズは!!!! 勝手に私のお城を舐めまわさないでよ!!!」


セリーナが怒るのをよそ目にベレトはグラシャラボラスに言った


「おい、グラシャラボラス……この魔女はケチだな!」


「何ですってー!!!!」


そう言うとセリーナはベレトを追いかけ回し始めたのだった


それを見たソラファはため息混じりに言った


「臨時大使館の中でバタバタしないでよ……」


するとベレトは急に立ち止まりソラファに言った


「おい、ユーカリスはどこだ? 俺に会いたがってるんだろ?」


「ユーカリスなら今いないわよ」


「なんだ、そうなのか? まあいい……グラシャラボラス、ユーカリスが来たら知らせてくれ……俺はちょっとこの辺りを見学してくるから……じゃあまたな」


そう言うと魔王ベレトは一瞬で消えたのだった……

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