又又悪魔の住処……そして女神ヘラと同棲?
辺りもすっかり暗くなりゾンビやアンデット達が活発に動き回る頃、カフェ・ド・セリーナの駐車場から高級リムジンが出て行った
高級リムジンの中には、運転しているアルテミス宮殿の執事の羊のカール君をはじめ……月の女神アルテミス……アルテミス神殿の神官ユーカリス……軍神アレスと美の女神アフロディーテの娘で女神見習いのココアサンドラが乗っていた
すると不意にアルテミスがココアサンドラに向かって言った
「さあ、アルテミス宮殿に戻って夏休みの課題を見るわよ」
「うー!」
ココアサンドラは助けを求める為、ユーカリスを見たが、ユーカリスはココアサンドラと目が合うと視線をそらし外の景色を見るふりをし心の中で呟いた
ココアサンドラ様ごめんなさい……私は知らんぷりを決め込みます……きっとご無事でアルテミス様のお部屋からお戻りになって来てください……ココアサンドラ様……グッドラック……
するとココアサンドラが言った
「アイル・ビー・バック‥ユーカリスちゃん……」
その言葉を聞いたユーカリスはびっくりして反射的にココアサンドラの顔を見た
するとココアサンドラはユーカリスの顔を見てニヤッと笑った
ユーカリスは恐怖で背筋が凍ったのだった……ゾクゾク……ゾクゾク……ゾクゾク……
カフェ・ド・セリーナでは今一緒に2階に上がろうとするアイスの魔女セリーナにエルフの国のソラファ王女が言った
「……という訳で、この店の2階をエルフの国の臨時大使館として使ってもいいかな? セリーナ」
「もちろんよ! ソラファ……私もまたここに住むことになったし、楽しくなりそうだわ!」
そう言うとセリーナは突然振り返り俺に向かって言った
「あっ、ルキ……じゃあまたね! モモーナと楽しんで! あっ、そうそうリュウト君に、変身は上手だけどもっと演技も上手にならないとダメよって伝えといてね……あー、あとルキには今度たっぷりお礼をしてもらうから、そのつもりで……」
セリーナはそう言うとさっさとソラファと2階に上がっていってしまった
俺は思った
これは完全にバレてるな……
俺はため息をつきながら大賢者ササーヤンに言った
「ササーヤン、俺の車で送るよ」
「ありがとやん、じゃあ夜ご飯を買うやん」
ササーヤンは俺にそう言うとモモーナと一緒にこの店の店長カゴシャンに注文し始めた
「ハンバーガーとカリッカリの芋スティックとクリームソーダを3人分テイクアウトするやん……ルキもそれでいいやん?」
「いや、俺は飲み物はアイスコーヒーにするよ」
「分かったやん、じゃあカゴシャンそれでお願いするやん」
「かしこまりました」
カゴシャンはそう言うとカウンターの奥に向かった
「それでルキ……これからどうするの?」
近くのイスに座りながらモモーナが言った
「ああ……とりあえずもう一度ササーヤンマートがある草原にココアサンドラ号をとめて住もうと思ってるよ……ササーヤンマートに近い方が何かと便利だし」
「私も一緒に住んでもいいのよね?」
「もちろん!」
「良かった!」
俺は思った……あれっ、この状況って、もしかしてモモーナと2人きり? いやマリアがいるのか……
俺が嬉しさを隠しきれず何とかクールに振る舞おうとしているところへカゴシャンが商品を持ってやって来た
俺は商品を受け取るとお金を払いモモーナとササーヤンを伴ってカフェ・ド・セリーナを出た後、駐車場にとめてある高級スポーツカーに乗り込んだ
カリッ……カリッ……カリッ……
モモーナとササーヤンは後ろの席でさっそくカリッカリの芋スティックを食べている
モモーナがササーヤンに言った
「ねぇ、ササーヤン、ルキの分も全部食べちゃおうか? そして寝ちゃおうか?」
俺は間髪入れずモモーナに言った
「いや、俺の分、食うなよ! そして寝かさねーよ!」
「冗談よ、ココアサンドラ号はすぐそこなんだし……全くルキったら冗談通じないのね」
「なんだ冗談か……見事に俺の意地汚さと人間の小っちゃさを同時に引き出してくれちゃったね、モモちゃん!」
「ええ……でもカリッカリの芋スティックはもうすでにルキの分もなくなりそうだけどね……うふふ」
「えっ、モモーナ、何だよそれ、全部食ったらあとで仕返しするからな」
「やってみなさいよルキ……私負けないわよ」
大賢者ササーヤンは思った
この2人は付き合ってるやん?
高級スポーツカーはセリーナ城の横の広いスペースにとめてあるココアサンドラ号の前までやってきた
マリアが立っている
俺は窓を開けマリアに言った
「マリア……この車ごとココアサンドラ号にテレポートしてくれるかな?」
「来たわね! 本物のルキ……ちょっと待ってて……今テレポートルームへテレポートするから」
「おい、その呼び方やめろよ!」
俺がそう言うか言わない内に高級スポーツカーはココアサンドラ号の中のテレポートルームにいた
「テッテレー!!!!」
相変わらずテレポート完了音には慣れない……
俺たちは車を降り、俺はモモーナのトランクを持ってその階の入り口まで歩きエレベーターに乗った
俺が上のボタンを押すとエレベーターは上昇を始めた
ポーン!
ドアが開くとヘラ様がいた
「おかえりー、ルキ!」
「ただいまー、ヘラ様! って何でここにいるんですか?」
ヘラ様はここに至るまでの経緯と事情を話してくれた
「……という訳でヘラ城が完成するまで、また1番奥の部屋に住むからの」
「分かりました……ヘラ城が出来るまでですよ……っていうかヘラ様ならパパッと城の一つや二つ出せるんじゃないんですか?」
「出せると言ったら出せるでおじゃる……出せないと言ったら出せないでおじゃる……」
「一体どっちなんですか?」
「まあ、どっちでもいいでおじゃろう! ルキ……わらわと同棲したくないのでおじゃるか?」
「いや、同棲ではないですけどね……でも俺はいつでもヘラ様と一緒にいたいですよ!」
「では何も問題はなかろう?」
「はい、俺が悪かったです……では1番奥の部屋をお使いください」
「分かればよいのじゃ」
俺は内心めっちゃ喜んでいたがモモーナの手前それを顔には出さなかった
ヘラ様が自分の部屋へ行ってしまうと、モモーナが言った
「私の部屋は?」
「ああ……モモーナの部屋は1番手前だよ」
「うん、分かったわ……あっ、ルキ、今日ササーヤンを私の部屋に泊めてもいいかな?」
「いいよ、モモーナの部屋だからこれからもモモーナが決めていいよ」
「ありがとうルキ……じゃあササーヤン行こう」
モモーナがトランクを持ちササーヤンを連れて自分の部屋に行ったのを見て俺はコックピットに行きマリアに言った
「マリア、ココアサンドラ号を発進させてササーヤンマートがある草原の元いた場所に着陸してくれないかな?」
「ええ、いいわよ、じゃあ5分後に発進するわね」
「ああ‥分かった」
こうして5分後ココアサンドラ号はセリーナ城の横の広いスペースから暗い夜空へ飛び立ったのだった……




