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月議院会議

俺は空いている席に座り何気なく隣を見た


「えっ、誰? 可愛い……あの?どちら様ですか?」


「はっ! ルキ! 何寝ぼけてんの! ココアサンドラよ! さっき挨拶したでしょ!」


「えっ、ココアサンドラ? マジかよ……成長しすぎだろ……可愛すぎるぞ!!!!」


「私と結婚したくなった?」


「いきなりかよ! ストレートに途中をすっ飛ばしたな! もしそうでも段階を踏もうぜ……一体全体夏休みに何があったんだよ……」


ココアサンドラが俺に答えかけた途端アルテミスが怖い声で言った


「はいそこっ! しゃべらない! 前見る!」


俺は思った


アルテミス人が変わったように気合入ってるな……




丸みを帯びたカラフルで可愛いキャンピングカーを運転している可愛いうさぎの獣人ミーナはコーチス大使館前でハシビロコウ獣人のシビロ中尉と合流した……助手席には見習い魔術師で新人スパイのサラが座っている


ミーナはシビロ中尉が車に乗るのを確認して言った


「シビロ中尉……ミッションは全て中止して王都に帰るわよ」


「はい、ミーナ様、分かりました」


「それで何か情報はつかんだの?」


「それがミーナ様、コーチス王に関しては大した情報は得られなかったのですがコーチス王をマークするために飛ばしていたAI搭載の超小型ドローンの映像を見ていましたらコーチス王国のモモーナ王女の情報は得られました」


「それは何?」


「はい、どうやら何者かは分からないのですがルキという者と婚約しているらしくコーチス王も婚約を喜び早く結婚させたいと言っておりました」


「はっ? 何よそれ! ルキってあのルキ? その情報はまだ公になってないわね……極秘結婚かしら……でもその情報はどうでもいいわ……今度誰かに聞いてみるから……さあ王都へ帰るわよ!」


ミーナはそう言うとアルテミス国の東門へ向かい丸みを帯びたカラフルで可愛いキャンピングカーを発進させた





月の女神アルテミスはコーチス王国のプリンセスで聖女のモモーナのそばに歩み寄り事情を説明した後言った


「それでモモーナにも新政府を手伝ってほしいの……いいかしら?」


「えっ、ええ……もちろんよ…… アルテミス……いえアルテミス様を手伝います」


「ありがとう! モモーナ……みんな、じゃあ会議を始めるわよ……カール君は書記をしてくれる?」


「かしこまりました」


カール君がカゴシャンが用意してくれた移動式ホワイトボードを引っ張って店の良い位置に持ってくるとその前にアルテミスが立ち、みんなはその周りに座った


「まずはじめにここにいるカゴシャン、カール君を含めた9名には私の為に集まってもらい感謝します……事前にみんなに話した通り私は周辺の国々に対抗する為アーサー王国から独立しアルテミス領をアルテミス国としました……必ずここにいるみんなでより良い国にしましょう」


自然とみんな拍手をしアルテミスは微笑んだ……そしてアルテミスは話を続けた


「今も言ったように、これからこの集まりは国の最高機関にしたいと思います……私と私が任命した女神見習いのココアサンドラ、エルフの国のソラファ王女、神官ユーカリス、大賢者ササーヤン、アイスの魔女セリーナ、コーチス王国のモモーナ王女……この7名で私が名付けた立法機関、月議院の議官になってもらい司法、行政、軍事、外交などをみんなで決めていきたいと思っています」


俺は言った


「えっ、俺は?」


「あっ、ルキいたの? あなたは別に何もしなくてもいいわ……誰かのサポートでもしてて」


「あっ、そっ!」


俺はふてくされ黙り込んだ


モモーナがアイコンタクトで俺を慰めてくれる中、アルテミスは喋り始めた


「とりあえず、今日の議題は私の議案の2つだけど、今後何か話し合って決めたい事があったら私に言ってね……月議院で提案者が説明してこの7議官で討論して決めていきましょう……もし決まらなけば最後は採決して決めるわよて決まったら私が公布した後、国民に施行します」


ココアサンドラが言った


「2つの議案って何?」


「ええ、2つの議案といっても、この2つはどうしても必要だから採決を取るだけだけなんだけど……それでいい?」


「いいよ……アルテミスの思う通りにやって」


「ココ……ありがとう……じゃあまず一つ目なんだけど、この国の交通網の整備をしたいと思って……私が提案する……というか考えてるのは列車、民間空浮艇、乗合馬車よ……セリーナ!魔法を動力にした機関車を作ることは可能かしら?」


「うーん、どうかな……たぶん魔法石を使えば可能だと思うわ」 


「ありがとう……もし魔法機関車で……そうねアイス列車みたいなのを引かせる事が出来るならアルテミス国を囲んでいる巨大なアイスの城門の手前にぐるっと一周線路を引いてそこにアイス列車を繋いだ魔法機関車を走らせるつもりよ……そして今考えてる駅は、アルテミス神殿前〜アルテミスシティ入口〜アルテミスシティ中央〜アルテミスリバー前〜セリーナ城前の5つよ……どうみんな賛成?反対? 賛成の人は挙手して」


アルテミスに任命された月議院の7議官全ての者が挙手しアルテミスは満足気だった


「みんなありがとう……じゃあ決まりね……それと国外へ行く為の民間の為の空浮艇も必要だから大型空浮場の建設と、あと街の中の移動の為の乗合馬車の整備をしたいと思ってるの……これはどう? 賛成? 反対?」


みんなはもちろん挙手しアルテミスは満面の笑みの中話を続けた


「それであともう一つの議題は……ていうかお願いなんだけど……ササーヤン……今度ササーヤン研究所を作るからあなたにはそこの所長も兼任して、あなたのその大賢者としての無限の知恵を使って月議院で決まった技術が必要な物をそこで開発してほしいんだけど……いいかな?」

「もちろんやん! 私が作り出せる物なら協力するやん、やるやんやるやんがんばるやん!!!!」


大賢者ササーヤンは頑張るポーズをかっこよく決めた


「ありがとうササーヤン! これで私からの提案は終わりだけど、みんな何か提案はある?」


すると、アイスの魔女セリーナとエルフの国のソラファ王女が手をあげた


「じゃあ、先に手をあげたセリーナどうぞ」 


「ええ、私は……」


セリーナはアリーシャ公国の公爵令嬢アリーシャからもらった7セットのネックレスとイヤーカフを取り出しその経緯とアリーシャの想いをみんなに伝えるとアルテミスは言った


「セリーナありがとう……アリーシャの想いは受け取ったわ……この7セットの通信機器は是非使わせてもらいましょう……じゃあ渡すわね……アリーシャが私にと言った1番は私でセリーナが2番よね……あとは、近くにいる人から渡すわね‥はいモモーナが3番……でココアサンドラが4番……でソラファが5番……でユーカリスが6番……でササーヤンが7番……これからは連絡が楽になるわね……じゃあ次の提案はソラファね」


するとソラファは言った


「わ、私のは、提案というか……お願いなんだけど、あのねアルテミス……私いずれ、この国にラーメン店を開きたいんだけどいいかな?」


「えっ、私ラーメン大好き! 是非ラーメン店を作って……あっ、駅のそばにあってもいいわね!」


「ええ、ありがとうアルテミス……これから研究して必ず美味しいラーメン店を出すわ!」


「楽しみだわ! ソラファ!」


みんなもラーメンが好きらしくこの決定には歓声が上がった


「みんな静かに! もう他に議案はない? ないなら終わりにしたいと思います」


こうして第1回月議院会議は終わったのだった……


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