表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/188

聖女の嘘と悪魔の嘘‥もれなく風呂に入っているカツオの半魚人

俺がコーチス大使館に行くため近道の路地裏に入ると、そこには風呂に入っているカツオの半魚人がいた……


カツオの半魚人は俺に気づくと手招き……いや胸ビレ招きをし近づいてきた


「お兄さん、ラッキーアイテム買いまへんか?」


「いや、けっこうです、急いでるんで」


俺は歩きを止めず先に行こうとしたが風呂に入っているカツオの半魚人は諦めずついてきて言った


「お兄さん、イケメンですねー……あっ、女難の相が出てますよ! 絶対ラッキーアイテム買っといた方がいいですって!」


俺は歩きを止め言った


「ラッキーアイテムって何ですか?」


すると風呂に入っているカツオの半魚人は言った


「私の体のウロコ入りのお守りです」


「あっ、いらないです……では」


俺はそう言い行こうとすると風呂に入っているカツオの半魚人は慌てて言った


「あっ、お兄さんお兄さん! じゃあお兄さんだけに特別! 特別にラッキーフードお売りします!!!!」


「なんすか? ラッキーフードって」


俺は少しイラつきながら言った


「私の体のスープです」


そう言うと風呂に入っているカツオの半魚人はおたまで風呂の湯をすくった


「はっ?」


俺は怒りで体が熱くなった


だがそう思った瞬間には空を飛んでいた


「あれっ、俺……空を飛んでる……飛べる! 飛べるぞ!」


俺は自分の背中を見た


服が切り裂かれ悪魔の翼が生えている

俺は羽ばたいてみた


すると急上昇した


「気持ちいい‥ ……気持ちいいぞー!!!!」


俺は下を見た


風呂に入っているカツオの半魚人が何か鳥のような獣人に襲われていた……






俺は思い出した……


「あっ、モモーナに会わないと!」


俺は悪魔の翼を閉じ、魔法で服の破れを直すとテレポートした……



俺はコーチス大使館のエントランスにいる


「さてと、モモーナの部屋はどこかな? あっ、メイドだ!」 


メイドがエントランスの大きな階段を降りてくる


俺は階段の陰に身を隠した


メイドは俺に気づかず行ってしまった

俺は階段を見上げた


「あっ、モモーナ!」


モモーナはトランクを両手で抱え階段を降りてくる


だがあと数段の所でバランスを崩した


俺はモモーナの前に立ち、落ちてくるモモーナをしっかりと抱きとめた


「モモーナ、大丈夫? ケガはない?」


「ええ……ルキ、どうしてここに?」


俺はモモーナをぎゅーっと抱きしめたまま事情を話すとモモーナは言った


「そう……アルテミス国……ねぇ、ルキ、あのね……」


その時入り口からコーチス王が入ってきた


「モ、モモーナ何を……」


俺は振り返った


俺の顔を見たコーチス王は言った


「あっ、ルキ様!!!!」


俺はそう言いながらモモーナから離れた


「ルキ様、この度は娘と婚約したとか」


「えっ、婚約?」


その時モモーナが近づいてきて俺の耳元で囁いた


「ルキ、話を合わせて!」


俺がモモーナを見るとモモーナは必死に目で訴えていた


俺は話を合わせることにした


「ええ……はい……モモーナさんと婚約しました」


俺が嘘をつくとコーチス王は手を叩いて喜び言った


「おお、それはめでたい! それではさっそく結婚の準備を……」


だがモモーナが遮り言った


「パパ! そんなことよりどうしたの? 王都へ行くんじゃなかったの?」


「ああ、そのはずだったのだがアルテミス様がアルテミス国を建国されたと連絡が入ったのでな……もう王都へ行く必要はなくなったのだ……私はアルテミス様にモモーナを預けているのだから……それで急遽、我が国に帰ることになったのだ……ところでモモーナはどうするのだ? アルテミス様の所に行くのか? ルキ様と一緒にいるのか?」


「私はルキと一緒にいます」


「そうか……それは良い事だ……それに今後もこの大使館はアーサー王国ではなくアルテミス国の中の大使館として使用するからモモーナもここでルキ様と一緒に暮らしなさい……もちろんセントモモーナ礼拝堂もすぐに完成させるから、完成したらそこでルキ様と暮らしなさい……では私は側近と共にコーチス王国に帰るとする……あっ、ルキ様! もし車がご入用なら大使館にある車を一台差し上げますので使ってください……では失礼します」


コーチス王はそう言うと数人の側近達と共に行ってしまった


俺はモモーナに聞いた


「モモーナ! 婚約ってどういうことだよ! それにセントモモーナ礼拝堂で一緒に暮らすって何? 」


「えっ? えーと、何だったっけな? パパの勘違いじゃないの? それより早くカフェ・ド・セリーナへ行きましょう!」


俺の返事を待たずモモーナは急いでトランクを両手で抱え入り口を出た


「まっ、いいか……」


俺はモモーナを追いかけトランクを代わりに持って駐車場に向かった


コーチス大使館の駐車場には高級車ばかりあった


俺はその中から高級スポーツカーを選びモモーナと共に乗り込んだ


「さあ、モモーナ、行こうか」


「ええ」


俺はエンジンをかけ高級スポーツカーを発進させた


高級スポーツカーはものすごいパワーですぐにコーチス大使館の門まで来た


俺は左に方向指示器を出し安全を確認するとアクセルを踏んだ


すると高級スポーツカーは気持ちの良い音と共にすごい加速を見せた


しばらくするとモモーナが聞いてきた


「ねぇ、ルキ……もしリュウト君の変身がセリーナにバレたら怒ってルキを召喚するんじゃないの?」


「えっ、ああ、それは大丈夫……前に俺が風呂に入ってる時にセリーナに召喚されて俺の素っ裸をセリーナに見られて以来、常に四葉のクローバーのネックレスをしてるから……このネックレスをしてるとネックレスの力で誰にも召喚されないから」


「ふーん、じゃあ私もルキを召喚出来ないのね……」


「ああ……うん……でも俺はモモーナのそばにいつもいるから……」


モモーナは俺をじっと見つめ言った……


「嘘つき……」


俺はその言葉にモモーナを見ることが出来ず思わずアクセルを踏み込んだ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ