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ゼウス神の浮気? 南側の巨大なアイスの壁が破壊される……女神ヘラの建国祝いとヘラ城

アルテミス国が誕生したことはすぐに女神ヘラがいるゼウス神の艦隊の知るところとなった


「ところでゼウス……」


「何でしょうヘラ様」


「最近そなたの妻メーティスは元気かの?」


「はい、それはもう恐ろし……いえ元気ですが我が妻が何か?」


「いや……メーティスは最近そなたが妖精や人族にまで手を出していることを知っているのかと思っての」


「えっ、そ、そんな……私は妻一筋ですので……」


「ほう……では今からメーティスに会いに行き、その辺りのことを聞いてみようかの」


「またまたまた……ヘラ様……ご冗談を……そ、それで……何がお望みなのですか?」


「いや、たいしたことではないのじゃ……アルテミスを少し手伝ってやりたいだけじゃ……よいかの?ゼウスよ」


「はあ……分かりました……急なアルテミス国の建国……私もアルテミスが心配ですし……」


「おお、分かってくれたのじゃな……メーティスにそなたの浮気のことは黙っておくから心配せんでもよいぞ」


「う、浮気? 何のことかは分かりませんが取引成立ということですな……ですがヘラ様、オリンポスでの公務はどうなされるのですか?」


「それは良いものがある」


そう言うとヘラ様は空中から2つの水晶玉を取り出した


2つの水晶玉はぷかぷか浮いている


「これは、アーサー王国の魔術省が開発した通信をするためのものじゃ……これを使ってやり取りするのじゃ……もし文書などがある場合は虹の女神イーリスに運ばせればよかろう……イーリスならあっという間じゃ」


すると女神ヘラ様の側近イーリスは言った


「えっ、ヘラ様、私がオリンポスとアルテミス国を往復するのですか?」


「なんじゃ、嫌と申すのか? ゼウスにわらわの居場所をバラした罰じゃ……断るのならわらわにも考えがあるぞよ」


「いえ……そんな……ヘラ様、決してそのようなことは……分かりました! 何往復でもいたしましょう!」


「分かればよいのじゃ……ではゼウスそう言うことじゃ……では行って参る」


「はい、行ってらっしゃいませ……あっ、ヘラ様……くれぐれも妻には……」


ゼウスが人差し指を自分の口元に持っていきながらそう言うと、ヘラ様は微笑みながらテレポートしその場から消えたのだった……




アルテミスはセリーナ城でチョコミント将軍と別れ執事の羊の獣人カール君と一緒にカフェ・ド・セリーナで休憩していた


カフェ・ド・セリーナは貸切にしたためアルテミスとカール君と巨大な白熊の獣人の店長カゴシャンしかいなかった


そこへ店のドアがいきなり開いて慌てふためいたチョコミント将軍が飛び込んで来た


「アルテミス様、大変です!!!! 今南のアイスの壁の上にいる部下から連絡が入ったのですが南の壁が何かものすごい力で壊されたそうです!!!!」


「えっ、何ですって!!!!」


アルテミスがそうチョコミント将軍に言った次の瞬間、突然頭の中に声が響いてきた


「……テミス……アルテミス……わらわじゃ……ヘラじゃ……聞こえるかの? 今テレパシーでそなたの頭の中に直接話しかけておるのじゃが……」


「はい! ヘラ様……聞こえます!」


「それは良かった……アルテミス……ちょっと南の壁まで来てくれんかの? 突然南の壁の上にいた兵士がわらわを砲台で攻撃してきての……わらわがちょっと脅かしてやろうと攻撃し返したら壁が壊れてしまったのじゃ」


「分かりました、すぐ行きます……チョコミント将軍、カール君……ちょっと南の壁に行ってきます……大丈夫、敵ではありませんでした」


そう言い終わるか終わらないうちにアルテミスはテレポートしその場から消えたのだった……




ヘラ様は湾岸から見える海を見つめていた


「やはり、ここの海は美しい……最高じゃ……」


その時ヘラ様の隣に月の女神アルテミスが現れた


「ヘラ様……それでどういう……」


「おお……アルテミス……聞いたぞよ……建国したそうじゃの」


「はい、ご心配をおかけいたします……理由がありまして……」


「理由はよいのじゃ……そなたのやりたいようにしたらよいのじゃ……それより壁を壊してすまなかったの……」


「いえ……よいのです……南門はいずれ作ろうと思っていましたので……海は国として大事ですし……」


「おお、そうであったか! それは良かった……では建国祝いに港を作るとしようかの」


ヘラ様はそう言うと右手を海に向かってかざした


するとたちまち強烈な光の元、立派な港が現れたのだった


「どうじゃ、立派な港であろう? 気に入ったかの?」


「はい、ヘラ様ありがとうございます……ではこの港はこれからヘラ港と言うことにいたします……あっ、この辺りの無名のビーチもベイサイドビーチヘラと名付けてもよろしいでしょうか?」


「おお! よいぞ! 夏はこのビーチをパラダイスにしたいものじゃ!」


「はい、ヘラ様! 海の家や宿泊施設も作りましょう!」


「おお! よいの、よいの! 楽しみじゃの……ん? あっ、そうじゃ、もう一つよいかの?」


「何でしょう」


「わらわもアルテミス国に住みたいのじゃが……アルテミス……わらわがこの国を千里眼で上からふかんで見たところ、アルテミス神殿は北西の鬼門の位置にあったぞよ……それでじゃ……南西の裏鬼門の位置に、わらわの城……そうじゃな言うなればヘラ城を建てても良いかの?」


「それは、もちろん良いです! ヘラ様が近くにいていただけるならこんな心強いことはありません」


「それは良かった! これから楽しくなりそうじゃ!」


ヘラ様は満面の笑みでそう言うと海の方を見た……


つられてアルテミスも海を見た……


キラキラ光る海面の上を吹く海風を浴びながら、2人はしばらく遠くに見える無数の島々を眺めていたのであった……






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