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プランZ発動による各所への影響

ディーナが重罪人として監獄島へ移送されることと、アルテミス領一帯がアーサー王国からアルテミス国として独立、建国されたことはすぐにアーサー王国全土に知れ渡ることとなった


アーサー王国の西の端にある街シコークスシティのリコッチー城ではリコッチーが貴族として窮屈な生活を送っていた……


そこへこのニュースである……


「アイコディーナ様お可哀想に……きっとこのリコッチーがアイコディーナ様の無実を証明してみせますわ……ではわたくしはアルテミス国へ参ることにいたしましょう‥キャハッ……」


そう言うと魔術師リコッチーは城の広い庭に出た


そしておもむろに魔術師の杖を取り出すと何事か言い魔術師の杖を振った


すると巨大な逆バンジー装置が現れた

両側の柱の高さはゆうに100mはありゴムはパンパンに張られゴムの先には、大型バイクが引っかかっていた


リコッチーは中世貴族のような服を着ていたがそのまま大型バイクにまたがった


「よし、行こう、それっ!」


リコッチーが合図すると、瞬く間にリコッチーが乗った大型バイクは上空に舞い上がりそのまま吹っ飛んで行ってしまったのだった


しばらくするとリコッチーは大空の中で言った


「ずいぶん遠くまで来たわね……キャハッ……キャーッ……アヘッ……ああー……さ、い、こう……お城暮らしは堅苦しかったし、つらいし、つまらないし……やっぱり自由っていいわね!」


そんなことを言ってる間にも大型バイクは徐々に高度を下げてきた」


「あっ、いけない準備しなきゃ」


リコッチーはそう言うと大型バイクを空浮モードに切り替え魔術師の杖を巨大なパラソルに変えた


すると大型バイクの落ちるスピードは弱まり、道の上50cmくらいまでくるとピタッと止まったのだった


そのまま大型バイクはふわふわ浮いている


「じゃあ楽しみながら行きましょう……オホホホホ」




ユーカリスは妖精の森の入り口でソラファと別れカフェ・ド・セリーナに帰ろうと再び道なりにアルテミス神殿のほうに向かってキッチンカーで走っていたが突然車内の小型水晶玉からアイコディーナの監獄島への移送とアルテミス国建国のニュースが飛び込んできた


ユーカリスは急ブレーキをかけキッチンカーを止めると言った


「こ、これはもしやプランZでは……そんな……こんなに早くこの日が来るなんて……どうしよう……そうだ! ソラファだ! プランZが実行された場合、私の役目はエルフの国の女王様か王女様をアルテミス様の所へ連れて行くことだった!」


ユーカリスは今来た道をとって返しソラファの元へ急いだ


エルフの国のソラファ王女と魔族マルバス男爵と悪魔犬グラシャラボラスはソラファの店ル・パン・ド・ソラファに入るところだった


ユーカリスは店の前にキッチンカーを止めると窓を開けて叫んだ


「ソラファー、大変よ!!!!」


「何?どうしたの?」


「とにかく乗って! 訳は行きながら話す」


「分かった、ユーカリスが取り乱すなんてよっぽどのことね‥マルバスごめん、この埋め合わせは今度必ずするから」


「ああ……じゃあまたなソラファ」


悪魔マルバス男爵と別れエルフの国のソラファ王女と悪魔犬グラシャラボラスはキッチンカーに乗った


「それでユーカリス大変なことって?」


「実はソラファ……アルテミス様がアルテミス国を建国されたのよ」


「えっ、ほんとに?」


「ええ、これはアルテミス様の側近とあと数名だけが知ってることなんだけど、アルテミス様がアルテミス国を建国される計画は前々からお考えになっていたのよ……」


「なんでアルテミス国を?」


「ええ……今やアーサー王国は西の大陸きっての軍事大国で強大な国になったわ‥それによりアーサー王様の国内の敵も増えてきてその勢力は拡大してる……だから先手を打ってアーサー王様とアルテミス様は密約をして、もしアーサー王国を揺るがすような出来事が起こり革命が起こりそうになった時はアーサー王様の反対勢力を牽制する為、アルテミス様にアルテミス国を、建国してもらう事にしたのよ」


「アーサー王国を揺るがすような事って?」


「アイコディーナ様が重罪人として監獄島に移送されたのよ!」


「なんですって!!!!」


「それによりアイコディーナ様の母親である第一王妃様が追放され、その代わりに実家が元敵国のキャメロット王国から政略結婚で嫁いできた第二王妃ギネヴィア様が繰り上がって第一王妃になるそうよ……それにアーサー王様も考えていらしたはずなのに第二王妃ギネヴィア様の美貌と調略によりガヘリス様がお産まれになられてしまった……それで近年ガヘリス様を擁立しようとするアーサー王様の反対派が一気に勢力を拡大したのよ……現在のアーサー王国の政府も第二王妃ギネヴィア様派というよりはガヘリス様派なのよ……アーサー王国を第二王妃ギネヴィア様に乗っとられる日も遠くないわ」


「そうなのね……それで私は何をすればいいの?」


「ええ……アルテミス様は建国した後、まずエルフ国と一緒にアーサー王国包囲網を作るためエルフの国の女王様とも密約を交わされているのよ……その密約にはあなたの名前も上がっているのよ……もし建国した際、エルフの王都にいる女王様よりあなたが近くにいた場合はアルテミス神殿にエルフの国の臨時大使館を設置した後、あなたにエルフの国の代表としてアルテミス国の独立建国を全面的に支持しますとアーサー王国全土に宣言してもらうことになってたのよ」


「でも、私は何も聞かされていないわよ」


「それは、こんなに早くプランZが実行されるとは思わなくて……ソラファ……どう、やってもらえる?」


「分かったわ、ママの意思に従う事にする」


その時突然轟音と共に前方にものすごい速さで動く巨大な白いものが見えた


「何よあれは!!!!!!」


ユーカリスは急ブレーキをかけキッチンカーを降りた


その巨大な白いものは巨大な壁だった


この距離から見てもその巨大さが分かる


巨大な白い壁は太陽の光が反射してキラキラしていた


どうやら水分を含んでいるようだ


ソラファもキッチンカーを降りて来て言った


「あれも計画の内?」


「分からない……あれは私には聞かされていない……たぶん魔法の力だと思うけど……」


ユーカリスはソラファにキッチンカーに急いで乗るように言いソラファが乗り込むとグッとアクセルを踏み込んだ


キッチンカーはどんどんスピードを上げ、やがて巨大な白い壁の前に着いた 


巨大な白い壁の真下には門があった


門の前の道には馬車や車が渋滞していた


ユーカリスは最後尾に並ぶとキッチンカーの窓を開けた


「一体この壁は何なのかしら……甘い匂いがする……」


その時車内から声が聞こえた


「グルルルル……」


ユーカリスとソラファがその声のする方を見ると悪魔犬グラシャラボラスが気持ちよさそうに寝ていたのだった……


やがてユーカリス達の順番が来て門にたどり着くと門番の兵士が横柄な態度で通行許可証か身分証明書はないか聞いてきた


ユーカリスが身分証明書を見せると突然門番の態度が変わった


「これは神官様、申し訳ありません、しばらくお待ちを」


しばらくすると門の奥からアルテミス宮殿の警備隊長でライオンの獣人、ガオー大佐がやって来て言った


「ユーカリス様、お待ちしておりました

先程アルテミス様よりアルテミス宮殿に連絡があり、もしユーカリス様が来たらプランZを実行したからそのつもりでとの事です‥ ……そして私はカフェ・ド・セリーナで待っているからと……」


ガオー大佐の言葉を聞いたユーカリスは真剣な表情で言った


「分かりました……ではすぐにカフェ・ド・セリーナに向かいます」




アルテミスシティの南にある、アーサー王国王立海軍士官学校にも、セリーナ軍の兵士達が大挙して押し寄せ学校内にいた全ての者が校庭に集められた


そして兵士の中の将校と思われるアイスの兵士が出てきて言った


「通達する! 本日このアルテミス領一帯は月の女神アルテミス様によって独立しアルテミス国となった……学校内にいるアーサー王国軍関係者には国外退去命令が出ている……直ちにアルテミス国から出て行くように……尚アルテミス国内にいる全てのアーサー王国軍関係者も同様である……以上……解散!」


皆がざわつく中、アーサー王国王立海軍士官学校の校長、可愛いうさぎの獣人ミーナは魔術師見習いで新人スパイのサラに言った


「大変な事になったわ……学校の事は副校長に任せてすぐに王都に帰りましょう……どのみちアリーシャ公国の公爵令嬢アリーシャ様も王都に行かれたことだしもうこのミッションは全て終了よ……サラ……サラのキャンピングカーで帰りましょう……私が運転するから着いてきて」


「はい……」


サラがそう返事をするとミーナとサラは駐車場に歩いて行った


そして先程からその2人を後ろからじっと見ている者がいた


サラと同じクラスの生徒で、天界のスパイの天使アンナだった……


アンナは2人を追いかけようか迷っていた


サラには何かあると感じていたがアリーシャもいない今、サラを調べる事に意味がないと思ったからだ


すると不意にアンナは肩を叩かれ

アンナは反射的に振り向いた……







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