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ゼウス神の艦隊

エレベータードアが開くとそこにはヘラ様と虹の女神イーリスがいた……


アイスの魔女セリーナと聖女モモーナは2人に礼を尽くし挨拶をするとリビングの方へ歩いて行った


俺も行こうとするとヘラ様が明らかに不機嫌そうに俺に言った


「ルキどこへ行くのじゃ! アレスの店に行くぞよ、わらわについて参れ」


「は、はい」


俺はヘラ様とイーリスと共にエレベーターに乗り、一階入り口のボタンを押すとエレベータードアは閉まり下降を始めた


なんかヘラ様ピリピリしてるな


俺はそう思いイーリスを見た


イーリスは俺の視線に気づくとウインクをした


俺は思わず声が出た


「なんでだよ」


ヘラ様が言った


「ん? ルキ……わらわに申したのか?」


ヘラ様が怖い顔でにじりよってくる


「い、いえ、違います……」


俺はイーリスを睨んだ


するとイーリスは舌を出しながら言った


「てへっ」


「てへっ……っじゃねーよ」


ヘラ様が言った


「まあよい、それがじゃなルキ……」


そこでエレベータードアが開いた


ヘラ様はエレベーターを降り俺とイーリスもあとに続いた


歩きながらヘラ様は言った


「それがじゃなルキ……このイーリスが、うっかり喋ったらしいのじゃ……」


「何をですか?」


俺が聞くとヘラ様は苦虫を噛み潰したような顔をしながら言った


「ゼウスじゃ……わらわが海神ポセイドンと共にここに来て今はココアサンドラ号で生活していることをオリンポス山の宰相ゼウスに喋ったらしいのじゃ……」


その時である!


空の彼方から轟く轟音と共に空浮艦の艦隊がやって来たかと思うとアレスの店の上空で止まった


「あ、あれは! 敵か?」


俺が叫ぶと虹の女神イーリスは言った


「落ち着いてルキ、あれはゼウス様の艦隊よ」


「えっ、ゼウス様?」


俺が驚いているのを見てヘラ様が言った


「そうなのじゃ、あれはゼウスがオリンポス軍にいる自分の信者の中から選び抜いた精鋭達と、オリンポス軍の兵士で編成されたゼウスの艦隊なのじゃ」


その時、突然1番大きな大型空浮艦の下側の真ん中あたりからピンスポットのような光が出てきた


その光はアレスの店の前に照らされている


そしてその光の出どころから何かが出てきた


ゆっくりと光の中を降りて来る


ヘラ様が言った


「あれが、ゼウスじゃ!」


そしてついにゼウスは地上に降り立った


ゼウスが地上に降り立つとピンスポットのような光は消えた


俺はイーリスに聞いた


「ゼウス様はテレポート出来ないのかな?」


「いやもちろん出来るわよ……たぶんあれはゼウス様の演出ね……派手な演出で威厳とか何だかんだ見せたいのよ……自己顕示欲が強いおかただから多くの民衆に見られたいんだと思う」


「言うねー、イーリスさん」


「ルキ! こ、これはゼウス様には秘密よ!」


焦るイーリスの横からヘラ様が言った


「イーリスちょっとだまっておれ! わらわはそなたを許したわけではないぞよ!」


「はい、も、申し訳ございません、ヘラ様」


だがイーリスは俺にこっそり言った


「そして誰でも構わずの無類の女好き……ルキと一緒ね、うふふ」


俺は間髪入れず大声でイーリスに言った


「おい、俺は女好きだが相手は選ぶぞ!!!!」


するとヘラ様が叫んだ


「なんじゃ、ルキ!!!!」


「す、すいませんヘラ様……」


俺はイーリスをキッと睨みながら小声で言った


「怒られたじゃないかー!」


するとイーリスはさっきと同じように舌を出しながら言った


「てへっ」




ゼウスがヘラ様の前に来て言った


「ヘラ様探しましたぞ!!!! 公務がとどこおっておりますので、すぐお帰りくださいませ!」


「分かった、分かった、わらわが悪かった、すぐに帰るでおじゃる……その前にアレスの店に寄ってもよいかの?」


「ダメでございます、買いたい物があるのなら私の側近に行かせますが、どうされますか?」


「もうよい、オリンポス山にすぐ帰ればよいのじゃろう!」 


ヘラ様はゼウスにそう言い放つと俺のほうに向き直り言った


「ではなルキ、そなたとの生活は楽しかったぞよ……ああそうじゃ……わらわの部屋はそなたが使ってもよいぞよ……ルキ、また会おうぞ」


だがヘラ様が行きかけたそばからゼウスが俺を睨み言った


「お前が噂のルキか! お前とは今度じっくり話を……いや尋問してやるから首を洗って待っておけ!!!!」


そう言ったかと思うと大女神ヘラ様と全知全能の神ゼウスと虹の女神イーリスはスッと消えた……


そしてしばらくするとゼウスの艦隊は去って行ったのだった


俺は思った


ゼウス様……怖っ!!!!


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