聖女モモーナの新たな武器……魔法の王笏
カフェ・ド・セリーナへ向かっていたモモーナは突然何かを思い出し道を曲がりアレスの店に入った
店員のヘラクレスにモモーナは言った
「注文した品物入ってますか?」
「ええ、届いてますよ、モモーナさん、少しお待ちください」
ヘラクレスは店の奥に品物を取りに行きしばらくすると戻ってきてその品物を見せた
「モモーナさん、こちらの品で間違いございませんか?」
「ええ、これです、ありがとうございます」
聖女モモーナはその注文しておいた魔法の王笏を持ってみた
見た目は全体的に繊細なデザインが施され、魔法の王笏の上部は女神アルテミスの紋章がモチーフとなった細工が外側へ広がり施されていて聖女が持つにふさわしい仕上がりだった
さらに先端には一段と目を引く、巨大な宝石をあしらった宝珠が取り付けられている
「とてもよくお似合いですよ」
ヘラクレスはお世辞抜きでそう言った
実際、真っ白な聖女の服で、先端に女神アルテミスの紋章付きのロザリオを首からかけ、魔法の王笏を持った姿は高貴でどこか神々しくもあったからだ
「あっ、モモーナ様には特別にサービスで魔法の王笏の中に、ロリィタアーマー変身セットを、もうインストールしていますのでいつでも変身出来ますよ」
「えっ、それはどういう……」
「はい、ロリィタアーマー変身セットは、あらかじめメニューの中から好きな組み合わせを登録しておけばどんなロリィタ姿にも変身出来る代物です……しかも見た目は可愛いロリィタ服そのものですが、接近戦用に作られてますから実際の戦闘では戦士の鎧兜と同じくらいの防御力は期待出来ますよ……今は姫ロリアーマーを登録してますからちょっと試しに変身してもらえますか?」
「分かりました」
モモーナはヘラクレスに姫ロリアーマーが発動する動きを教えてもらった
「じゃあやってみてください」
「な、なんか恥ずかしいですぅ」
「ささっ、恥ずかしがらずに」
「じゃ、じゃあ‥変身!!!!!!」
モモーナが姫ロリアーマー発動の動きと共にそう叫ぶと聖女モモーナの周りに風が吹きフワッと服がなびいたかと思った次の瞬間には徐々に体全体を覆うように光の中に包まれ始め、光が収まった時にはすでにモモーナは姫ロリ姿になっていたのだった
モモーナは姿見の前に急いで行き全身をうつした
「か、かわいい……ティアラも綺麗!」
「どうです?見た目も可愛く防御力も高い、まさにモモーナさんのような方にピッタリの品です!」
「ありがとうございます!気に入りました、嬉しいです!」
モモーナは、はやる気持ちを抑え、魔法の王笏を魔法で収めた後、支払いを済ませると、意気揚々と店を出たのだった
俺はサヤカーリンがササーヤンマートに引っ越してからも、ずっと自分の部屋で俺のトランクとセリーナのトランクの2つのトランクを並べ考えていた
「とりあえず空いた部屋にセリーナのトランクを置いておくかな……」
俺がそう決めた途端、ヘラ様がやって来て言った
「ルキ、危険が迫っておるぞ」
「えっ、そうなんですか? それは一体どんな危険ですか?」
「まあ、それはよいとして、アレスの店へ生活用品や必要なものを買いに行くでおじゃる」
「いや、なんでいいんですか?教えてくださいよ!」
「まあよいから、言うことを聞くのじゃ
「嫌です!」
「ルキ、ホレ、セクシーダンスじゃ、ホレホレ、もっと見せてやるぞよ」
「行きましょう!」
俺はそう言うとコックピットへ行き、マリアにアレスの店に行くように指示を出した……
小型空浮艦ココアサンドラ号がアレスの店の駐車場へ着くとヘラ様は言った
「先にいくのじゃ」
「えっ? はい」
俺はコックピット前のエレベーターに乗り下へ降りるとエレベータードアが開いた
そこへちょうど店から出て来たモモーナがこちらを見た!
「あっ、ルキー!!!!!!」
「えっ、モモーナ?」
すると突然モモーナは俺の方へ向かって走り出した
モモーナは俺にどんどん近づいて来る
やっぱりモモーナ、めちゃめちゃ可愛いな……俺がそう思っていると、ついにモモーナが俺の所まで来て、そのまま俺に抱きついてきた
俺はつい、ぎゅーっと力強く抱きしめてしまった
その瞬間エレベータードアは閉まった
モモーナは俺と抱き合ったまま言った
「ルキどうしてここに? それにこれって盗まれたはずのココアサンドラ号じゃ……」
俺は手短にこれまでのいきさつを話した
「そうなんだ……私……私もルキと一緒に住みたい!!!!」
「えっ……」
俺はモモーナの体を離し見つめ合った
何も言わなくてもお互いの気持ちが分かった
モモーナは目を閉じた……
俺はモモーナに顔を近づけた……
そしてあと少しで唇が触れるその時……ふいにエレベータードアが開いた
モモーナ越しに視線を向けるとそこにはセリーナがいた
「あっ、セリーナ!!!!」
「えっ、ルキ、ちょっと何しちゃってんの? アイスボールレベルワン!!!!」
セリーナは俺達を見た瞬間、魔法のつえを取り出し俺に魔法を放ったかと思うと氷のつぶてが飛んできた
俺はとっさに魔法で防御した
「エアシールド!!!!」
俺が魔法を放った瞬間、俺とモモーナに飛んで来ていた全ての氷のつぶては空中に止まりそして落ちたのだった
「えっ、ルキってテレポート以外の魔法、使えたっけ?」
アイスの魔女セリーナは不思議そうに言った
「あぶないだろ! セリーナ!」
「えっ、ルキが浮気してるからでしょ!」
「誰が浮気だよ! それにセリーナはアリーシャ様の所じゃなかったのかよ!」
「私はアリーシャ様に会った後、アレスの店に用事があったから来たのよ! そしたら、ルキの浮気の現場に遭遇するなんてね!」
「だから浮気じゃないって……たまたま……そうたまたまモモーナに会ったんだよ、それにモモーナにまで攻撃して!」
「あっ、モモちゃん、ごめんね、ついカッとなって、でもレベルワンの氷のつぶてだから当たっても全然痛くないんだからね」
「ええ、セリちゃん、私は全然大丈夫だよ、それよりセリちゃん……私もココアサンドラ号に住んでもいい?」
「えっ、ええ、い、いいわよ……もちろんよモモちゃん」
その瞬間、コックピット前でエレベーターボタンを押したヘラ様によって、3人を乗せたエレベーターは上昇を始めたのであった……




