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女神見習いココアサンドラ大人になる

アルテミス宮殿でコーチス王の歓迎晩餐会が行われていた大広間からコーチス王と聖女モモーナが出て行った後、入れ替わるようにして大広間に入って来たアルテミス宮殿の執事の羊の獣人カール君は一直線に月の女神アルテミスに近づき何事か囁いた


「えっ、ルキが……」


続けてアルテミスがカール君に質問しようとしたその時、突然横で女性の声がした


「ごきげんよう」


アルテミスはその女性の声がした方を向いた


「えっ、うそ……」


アルテミスは驚きのあまり持っていたワイングラスを思わず落としてしまった


それをカール君が床に落ちる寸前でキャッチした


するとすかさずその女性は言った


「ナイスキャッチですわ」


カール君もその女性の方を向いた


「えっ、そんな……」


アルテミスとカール君が見たその女性は夏休みの間、実家があるオリンポス山に帰っていた女神見習いのココアサンドラであった……普段はアルテミスの元で女神昇格試験に向けて日々女神になる為の修行をしている


だがココアサンドラの容姿は明らかに夏休み前とは違っていた


美の女神アフロディーテの娘であるココアサンドラは短い間の夏休みで成長し、元々とてつもなく可愛い容姿に加え今は美しさと色気も備わって誰もがハッとして目が覚めるほどの美少女に成長していたのであった


「ココアサンドラ、あなたなの? 本当にココアサンドラよね?」


アルテミスが言うとココアサンドラは言った


「いやですわ、先生ったら……わたくしココアサンドラですわよ、オホホホホ」


「先生って私のこと? 性格や振る舞い方も変わっちゃってるじゃないの〜! 分かった! 夏休みデビューでしょ、そうなんでしょ」


あの冷静なアルテミスが取り乱すほどココアサンドラは美しく変貌を遂げていたのであった……


カール君はずっと口をあんぐり開け、目を見開いていた


「ちょっとカール君! カール君!」


「あっ、これはアルテミス様、失礼いたしました……ココアサンドラ様があまりにも、あまりにも、あまり……」


「カール君! 分かったから、さっきの話をココアサンドラにもして! ちょうどいいタイミングで帰って来たわ」


「かしこまりました……実はアルテミス宮殿からココアサンドラ様に会いに行かれる為にココアサンドラ号に乗って飛び立たれたルキ様が、オリンポス山には向かわずに、最近カフェ・ド・セリーナの近くに出来たササーヤンマートのそばにずっといるらしいのです」


「というわけなのよ、びっくりでしょココアサンドラ、実はココアサンドラ号が見つかったのよ」


「知っておりますことよ、オホホホ」


「なんで知ってるの?」


ココアサンドラはルキの元から帰ってきたパパの軍神アレスから聞いた話をアルテミスとカール君にした


「えっ、そうなんだ……じゃあ、ルキは最初からそのつもりで……」


そうアルテミスが呟いた後、カール君が言った    


「何か言われましたかアルテミス様?」


「いえ、何でもありません……でもちょうどココアサンドラが帰ってきてくれて良かったわ‥これからルキの所へ行きましょう!!!!」


「はい、分かりました、先生」


「あっ、先生で思い出したけどココアサンドラ、夏休みの課題出来てるんでしょうね、提出してもらうわよ」


アルテミスが先生モードで迫るとココアサンドラは小声で言った


「えっ、そ、それはまだなんじゃけど……」


「何? ココアサンドラ、何か言った?」


「いえ、アルテミス先生、課題の提出は後にしましょう……まずはルキのところへ……」


「そうだった! ルキに会わないと! カール君、アルテミス宮殿の前に車を回してくれる?」


「かしこまりました、アルテミス様、では……」


こうして月の女神アルテミスと女神見習いココアサンドラは、ルキに会う為、アルテミス宮殿の執事羊の獣人カール君の運転する高級リムジンで、ササーヤンマートがある草原にいる最新式小型空浮艦ココアサンドラ号に向かったのであった……

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