アリーシャ公国の未来
「セリーナ、私は弟が生まれ王都に行く事になりました
でも弟が生まれた事で状況は一変すると思います
私は弟と対立する事は望んでないしむしろ喜んでいます
これで私の後ろ盾で力を誇示しアリーシャ公国でのさばっていた政府や私の側近達は力を失うでしょう
私はこれまでのことや腐敗したアリーシャ公国の政府や側近の事、女神ヘカテーの陰謀の事をパパに話します
そして私は弟を将来アリーシャ公国の立派な君主にすべく弟を支えていく事にします
そうなれば私の周りで女神ヘカテーとつるんで甘い汁を吸っていた者達はことごとく失脚するでしょう
アリーシャ公国で革命なんてさせませんましてその勢いでアーサー王国を滅ぼし乗っとろうなどど……なんて恐ろしい……女神ヘカテー……セリーナ……注意して……
女神ヘカテーは恐ろしい
お願いセリーナ、私は女神アルテミス様に頼ることしか出来ません
私が持ってるこのイヤーカフとネックレスをアルテミス様に渡してください
そしてきっと女神ヘカテーの陰謀を食い止めてください
ではセリーナてさよなら……みんなによろしく……」
俺は開店時間を少し過ぎた頃にカフェ・ド・セリーナの入り口のドアを開けた
「いらっしゃいま……あっ、ルキ様お待ちしておりました」
カフェ・ド・セリーナの店長巨大な白熊の獣人カゴシャンは俺の顔を見るなりそう言うと作業の手を止め俺に近づいてきた
「ルキ様、セリーナ様から手紙を預かっております」
「えっ、なんで?」
「先程、アリーシャ様からご連絡がありまして、セリーナ様は慌てて出て行かれました」
「えー! 俺の引っ越しはどうな……いや、そうなんだ……」
俺は手紙をカゴシャンから受け取った
急いでいたせいか走り書きのようだった
ルキへ
どうしてもアリーシャ様に会わなくてはいけなくなったの
悪いんだけど引っ越しは一人でしてね
ルキの部屋の荷物は魔法でトランクの中に詰めてあるからね
決して途中で開けちゃダメよ
開けたらルキの荷物が全て出てくるから自分の部屋で開けてね
トランクは自動消滅するから返さなくていいわよ
じゃあね
あっ、引っ越し手伝えなくなってごめんね
セリーナより
俺は手紙を読み終えるとカゴシャンに聞いた
「それでセリーナがアリーシャ様に会いに行った理由は何?」
「それが私にも教えてもらえなくて……」
「そうなんだ……まあトランク一つなら一人で引っ越せるからいいけど……」
俺はため息をつき、改めて店内を見渡すとセンスの良いセリーナらしいオシャレな開放感のある店内にオシャレなアートな小物、コーヒーの良い匂い、観葉植物など溢れる緑、軽快な音楽、大きな窓から差し込む陽の光……
カフェ・ド・セリーナ……
いつ来ても心地よい空間だ……
入り口から人族のグループが入ってきた
俺は窓際の席に座りカウンターの向こうに戻ったカゴシャンに格好をつけて注文した
「いつもの」
だがカゴシャンは大きな声で言った
「ルキ様、いつものとは何ですか?」
客の視線が一斉に俺に注がれる中
俺は言った
「あっ、モ、モーニングセットを一つ」
「かしこまりました」
俺は待ちながら思った
でもなんだな……セリーナ、手紙には一緒に住もうとは書いてなかったな……それはそれで寂しいな……
モーニングセットが来た
最高の見た目と匂いだ……ワクワクしてきた
俺が目を輝かせてるのをよそ目にカゴシャンが言った
「あっ、ルキ様、セリーナ様からことづてがあるのを忘れておりました」
「えっ、何?」
私の部屋の荷物はもうルキの部屋へ送ったからね、とのことです
「やっぱ一緒に住むんかーい!!!!」




