カフェ・ド・セリーナのキッチンカーにのる神官
ここはエルフ湖のほとり……
エルフの男達が1台のキッチンカーに群がっている……
今から3時間程前アルテミス神殿には神官ユーカリスが神官服を脱ぎ捨て姿見に向かいポーズをとっていた
美しくしなやかな肢体だ……
さっきまで、コーチス王が月の女神アルテミスに謁見する為にアルテミス神殿を訪れていたので神官ユーカリスが儀礼を取り仕切っていたのだ
ユーカリスは私服に着替えるとエプロンをした
エプロンの上部にはカフェ・ド・セリーナのロゴと可愛い文字がプリントされていた
「さてと……行こうかな……」
ユーカリスは部屋のドアを開けた
下を見るとヒヨコの獣人ヒヨさんがいた
ユーカリスはドアノブを持ったまま、開けたドアをそのままゆっくりと閉めた
「ヒヨさん、俺と付き合えってうるさいのよね」
ユーカリスはそう呟くとテラスに出た
そして部屋にあった長いロープをテラスの端に結ぶとそのロープを伝って降り始めた
なかなかの高さだが怖がる素振りはまるでない
ユーカリス...見た目は上品でどこか儚げで女子力が飛び抜けて高そうだが、その実、根は男勝りだ
それもそのはず元々上級聖騎士パラディン..……戦えば今でも相当強い
トンッ……
ユーカリスは地面から1mの高さまでくると軽快に地面に飛び降りた
その足でアルテミス神殿の屋外駐車場へ向かった
ユーカリスが向かった先にはキッチンカーがあった
可愛い見た目だった……もちろん内装も可愛い……キッチンカーの左側上部にはカフェ・ド・セリーナと書かれた看板があった
ユーカリスはキッチンカーに乗り込むと呟いた
「エルフの国のほうに行ってみようかな」
日差しが強烈に照りつける中、キッチンカー、カフェ・ド・セリーナ号はゆっくりと動き出した
そして今、ユーカリスが運転するキッチンカーはエルフの国に入りエルフ湖のほとりに来たのだった
エルフレイクサイドアリーシャホテルが建設中で、たくさんのエルフの男達がいるのを見つけたからだった
ユーカリスがキッチンカーを止め開店準備をしているとキッチンカーに気づいたエルフの男達がやってきてユーカリスの美貌に見惚れている
そして開店した途端、瞬く間に全ての商品が完売してしまったのだった……
エルフの男達がいなくなりユーカリスがカフェ・ド・セリーナに戻る為、キッチンカーに乗ろうとした時、エルフレイクサイドアリーシャホテルのほうから1人の女性が急いでユーカリスのほうに走ってくるのが見えた……




