黒きゴスロリ美少女バトルアンドロイド・カーリンとカエルの魔獣……そしてアイスタワー
「ケロケロ」
カーリンがエルフ湖のビーチにびっしり埋めつくしているカエル達に向かってカエル語では話しかけるとカエル達は皆、湖に帰っていった
ビーチにはカーリンとカエルの魔獣と建設現場のエルフの男達だけになった
その時、東の方から突風が吹いた
「いい匂い……」
カーリンはなんだか嬉しくなってダンスを始めた
それを見たカエルの魔獣は突然、体中の骨と関節が鳴り出した
そして次の瞬間カエルの魔獣はまるで人族のように立ち上がり背筋がピンと伸び二足歩行でゆっくりと歩き出した
そしておもむろにカーリンと同じダンスをし始めた……ものすごいキレだ……カーリンとカエルの魔獣のダンスは完全にシンクロしていた
自然とエルフの男達から拍手と歓声が沸いた
突然カーリンはハッと我に返りまだダンスをしているカエルの魔獣に向かって言った
「位置について」
するとカエルの魔獣はダンスをやめその場でクラウチングスタートのポーズになった
カーリンはカエルの魔獣の背中に抱きついた
そして言った
「よーい」
カエルの魔獣の腰が浮いた
そしてカーリンは最後の言葉を言った
「ドン!!!」
その途端カエルの魔獣の脚の筋肉が盛り上がったかと思うと、ものすごいダッシュで東に向かって走り出した
人族そのものの走りだった
ただ一点違ったのは口から長い舌がびろーんと出て左右に揺れている点だった
カーリンはしっかりとカエルの魔獣の背中にしがみついている
カエルの魔獣は大きな道に入った
このまま行くとエルフの森と妖精の森とお菓子の森の間の四辻に、お菓子の国のプリンセスミホリーナが経営するレストラン【リストランテ・プリンチペッサ・ミホリーナ】 がある
ん? いい匂いはこの店なのか?
ものすごいスピードで舌を振り乱したカエルの魔獣はすぐに【リストランテ・プリンチペッサ・ミホリーナ】の手前100m前まで来ていた
その時である……
【リストランテ・プリンチペッサ・ミホリーナ】の入口のドアが開きお菓子の国のプリンセスミホリーナが出てきた
そして突進してくるカエルの魔獣を見た……
「ゲッ!!!!! 何よあれ、あっ、あっ、あっ……」
ミホリーナは突進してくるカエルの魔獣に恐怖し思わずしゃがみ込んだ
カエルの魔獣は、すぐそこだ
「あっ、ぶつかる……」
ミホリーナはその瞬間、顔をそむけ、うずくまった
だがぶつかる寸前、カエルの魔獣は飛んだ……高く高くジャンプした……みるみる上昇していく……空高くどんどん小さくなっていった……
お菓子の国にあるアイスタワー……
タワー全てがアイスで出来ていて地上888mの高さだ
展望台は地上696mと326mの所に2つある
ある人族の親子が地上326mの高さの展望台、チョコアイス展望台に遊びに来て、今、子供が高精細望遠鏡を覗き外を眺めていた
その子供は言った
「パパ、カエルはお空を飛ぶんだっけ?」
パパは言った
「あはは、カエルは空を飛ばないよ」
「じゃあ、あれは何?」
パパが、窓の外を指さす子供に促され窓の外を見た瞬間
ドンッ!!!!!!!!
ビッターン!!!!!!
窓に巨大なカエルがひっつき
カエルの巨大なお腹が見えた
ギャー!!!!
「なんだあれはー」
キャー!!!!
「なによあれー」
辺りは騒然となった
カエルの魔獣はアイスで滑る壁に苦労しながらもアイスの壁に突き刺さった板チョコなど突起物を掴み上へ上へと上がって行った
カーリンはカエルの魔獣の背中から頭の方へ移動しアイスタワーの表面を舐めてみた
「甘い! おいしい!」
カーリンは嬉しくなってダンスしようとしてすぐやめた
下を見て目が眩んだせいだ
「ケロケロ」
カーリンはカエルの魔獣に何事か喋りかけた
するとカエルの魔獣は動きをとめた
黒きゴスロリ美少女バトルアンドロイドカーリンは相手の能力をコピー出来る能力を持っている
今カーリンが意識してコピーした能力は魔獣使いと魔術師の能力だ
このカエルの魔獣を操っているのも魔獣使いの能力をコピーしたおかげなのだ
カーリンは集中力を高め何やら呪文を唱えだした
するとカエルの魔獣が光だし飛んだ
いや、正確には光につつまれ浮かんだと言った方が近い
現にカエルの魔獣はダラーんと両手両足をブラブラさせている状態である
「リコッチー……」
カーリンは急に何かを思い出した様子だった
カーリンとカエルの魔獣は浮かんだままアイスタワーに沿ってゆっくりと上昇していった
そしてついにアイスタワーの屋上に降りたった……カエルの魔獣から降りたカーリンはアイスタワーから見える景色を見渡した
風が吹くたびに甘い匂いがした
眼下の森や遠くの街が小さく見えた
突然カーリンは言った
「リコッチーどこ? リコッチー……」
そう言いながらカーリンは急に泣き出しそうになり、再びカエルの魔獣の背中に乗って、カエルの魔獣と共にアーサー王国の方に向かって飛んでいったのだった……




