智天使ケルビムと太陽神アポロン
……ここは、天界のカフェ……
1番奥の席に座っているのは、天界の最高指導者、熾天使セラフィムに次ぐ実力者の智天使ケルビムである……その背中には4枚の青い翼が輝いていた……
智天使軍の司令官である切れ者の彼は今、ある人物を待っていた
その時、天界のカフェのドアを開けて男が入ってきた
その男は、つかつかと智天使ケルビムに近づいてきて言った
「やあ、お待たせしました」
そう智天使ケルビムに言ったのは、オリンポス12神の1柱、太陽神アポロンであった
「アポロン様、お久しぶりです」
智天使ケルビムは丁寧にお辞儀をしながらそう言うと太陽神アポロンと握手をした
2人が席に座ると智天使ケルビムが先に口を開いた
「突然お呼びだてして申し訳ありません……さっそくですが……例の計画を実行するチャンスがやって参りました」
「えっ、それは……つまり……あの計画ですか?」
「はい、そうです……実は先程、部下から魔界の皇帝ルキフェルが魔界を離れアーサー王国の南の海にいるとの情報が入りました」
「では、今、魔界は手薄なのですね……」
「はい……今、魔界は平和で、すぐに戦闘態勢を取れないはずです……ただ……ルキフェルが戻る時間は予想出来ませんが……」
「ああ……それなら、今アーサー王国にいる妹に頼むことにしましょう……妹は兄の私が言うのも何ですが、大変美しいのです……きっとルキフェルもその美しさに惑うことでしょう……アルテミスがルキフェルを捕らえてくれれば、私がルキフェルを始末しましょう」
「おお! それは素晴らしい! ではアポロン様、お願いします……そしてルキフェルが居ない間に、目障りな魔界をアポロン様のお力で制圧してください……但し天界の上層部がこの件に加担していることは内密にお願いします」
「分かっています……その条件として、制圧した魔界を我々がどうしようと天界は一切、口出しはしないのですよね?」
「はい、魔界さえ、力を失えば私どもはそれでいいのですから……」
それからしばらくして、天界のカフェを出た太陽神アポロンは、アーサー王国にいる妹、月の女神アルテミスの元へ向かったのであった……




