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始まり






俺は大天使ルキフェルだ......。





「ルキフェル! ルキフェル!」





また誰かが俺を呼んでいる......


休ませてくれ......俺は疲れているんだ


ムニュ......


ん? ムニュ? 何だこの柔らかい感触は!!!!






俺は目を開けた......






天使ミラがいた......





「えっ、ミラ!!!!!!」


「ねえ、ルキ......一緒にお昼ごはん食べよ!」


「ミラ、どうしてここに? 今日は仕事だろ?」


「うん、仕事だけど、ルキに会いたくて来ちゃった!」


「そうなんだ......嬉しいよ......うん! 昼ごはん一緒に食べよう!」






ここ天界での俺の仕事は天界最高指導者、天使セラフィムの側近としてセラフィムの秘書をすることだ


ああ......あとは我らの神を守る精鋭部隊の熾天使軍で指揮官をさせてもらっている


今日は日々の天界での激務の中、何故か休みをもらえたのだった......


そして今......俺の彼女、天使ミラが俺のそばで微笑んでいた......





天使ミラはセラフィムの一人娘なのだが、俺とミラが付き合っていることは、まだ誰にも言ってなかった


ピンポーン......


突然、インターホンが鳴った


俺が外を確認すると、なんとそこには大天使ミカエルが立っていた


「なぜ、ミカエルが......」


今は俺が上官だが、大天使ミカエルは元々エンジェル・スクール時代からの友達だ


俺は慌てて部屋に戻るとミラに言った


「ミラ! やばいよ! ミラの上司が来ちゃってるよ!」


「えっ、なんで?」


「分からない......とにかく隠れて!」


俺は急いで天使が履いてきた靴を隠すとミラに奥の部屋に行くように言った






俺はドアを開けた......


「ミカエル、どうした? 何か用なのか?」


「いや、別に......ただ近くを通りかかったものですから......」


(どうやらミラの事じゃないらしいな)


俺はホッと胸を撫で下ろし、大天使ミカエルにお茶を出した


「あっ、私はコーヒー派なんですけど......」


「はっ? どつくぞ......いやいや冗談冗談」


大天使ミカエルは、苦虫を噛み潰したような顔で俺を睨んだ


(こ......怖~)


「実は......私の部下が、セラフィム様のお嬢様、ミラ様を見張ってたのですが......あっ、私の命令ではなく、セラフィム様直々に頼まれたのですがね......どうやら、ミラ様に、どこの馬の骨とも分からないような男の存在が見え隠れしているらしいのです」


ゴクリ......


俺は蛇に睨まれた蛙のように大天使ミカエルの話を聞いていた


俺の反応がないのを見て大天使ミカエルは続けて言った


「それでその私の部下が、今ルキの家にミラ様が入っていくのを見たって言ってましてね」


「えっ、いやいやいや、そ、そんなことはないない」


「本当に? まあ、いいでしょう......ああ、そうそう、今からルキを取り調べる方が、おみえになりますから」


ピンポーン......


大天使ミカエルがそう言った瞬間、インターホンが鳴った


俺がドアを開けると、なんとそこには天使ミラのパパである、6枚の赤い翼を持った熾天使セラフィムが立っていたのであった


「セラフィム様......」


(やばい、やばすぎる......しかもセラフィム様の後ろには主天使、力天使、能天使の中位三隊の指揮官、さらにその部下もいる......めっちゃおおごとになってる......)


「まさか、うちの娘に手を出していたのが信頼するルキだったとは......」


「濡れ衣です」


俺がそう言うと、能天使軍パワーズの指揮官、カマエルが部下に言った


「家中を探せ!」


「ハッ!」


カマエルの部下達が俺の家の中を駆けずり回っている


突然叫び声が聞こえた


「セラフィム様! ミラ様を見つけました!」


ミラはカマエルの部下によってセラフィムの所へ連れて来られた


「ミラ......なんてことを......残念だ、ルキフェル、まさか信頼していた君に裏切られるとは......」


「セラフィム様! お嬢様とお付き合いしているのを隠していた事は謝ります! ですが本気なのです! どうか、お嬢様とお付き合いする事を認めてください!」


「追放だ......」


「えっ?」


「聞こえなかったのか! 今すぐ天界から出て行きなさい!!!!」


「な......ぜ......」


俺が呆然としていると天使ミラが叫んだ


「パパ!!!!」


「知っていたはずだルキ......この子には、すでにフィアンセがいることを」


「い、いえ、知りませんでした......そんな......ミラからは何も.....ミラ、一体どういうこと......」


「違うの! ルキ、信じて......パパが勝手に......言い出せなかったの......ごめんなさい......」


俺はミラの目を見たがミラは目を逸らした......俺は決心した


「セラフィム様! ! 分かりました......俺はミラと別れ、今すぐ天界を出て行きます......」


「そうか......では決まりだ」


セラフィムの言葉を聞いた途端、ミラは外に飛び出していったのだった......



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