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前書きにて失礼します。

総合評価1800ポイントを超え、異世界転生/転移の恋愛日間ランキングで15位に入ることができました。

本当にありがとうございます。


一点、ミスがありました。


グレゴリー家の爵位について、侯爵家→公爵家です。


前作の連載版と設定がぐちゃぐちゃになってしまい、この部分をそのままにしてしまいました。

改訂版ではグレゴリー家は外交を担当している「公爵家」です。


物語に影響はありません。

本当に申し訳ありませんでした。

「少し複雑な話になるから質問があったらその都度してほしい」

「わかりました」


 いつになく真剣な父上はそう前置きして語り出した。

 内容はグラディオン王国の派閥について。


 グラディオン王国の派閥は三つ。

 

 国王、ローベルト=グラディオンを中心とした王族派。

 外交の役割を担っているグレゴリー公爵家中心の貴族派。

 そして、パトラス侯爵家を中心とする中立派の三つ。


 この王族派、貴族派が将来の国を担う実権を争っていて、中立派は権力の均衡を保つため役割を担っている。


 それぞれの掲げる内容は王族派は王太子アドリアンを中心とした統治。

 これは争いを避け、平和に王位を継がせるため。


 もう一つはその反対の意思を掲げる貴族派。

 アドリアンは飾りだけのトップで実権は有力貴族が担うべきだという考え。


 中立派はどちらにもつかず、王族派、貴族派に勢力が集中しないようにうまく取り持っている。

 また、そこまで派閥は大きくない。

 



 よくある派閥争い。

 父上の説明を聞いて最初思ったことはこれだ。だが、その後の説明を聞いて内容の複雑さがわかった。


 この派閥争いの構図になったのは4年前。

 元々はグラディオン王国の派閥争いはなかったそうだ。

 こうなってしまったのは5年前の第二王子の病死が原因で国の権力が分散してしまった。


 第二王子エルドウィン=グラディオン。

 5年前に病死してしまった正妃のセリア様の長男。

 そのセリア様も亡くなってしまっている。

 エルドウィンは神童と謳われ、将来の次期国王は確実とまで言われていた。

 

 この人に任せれば国は安泰。一部反対する貴族はいたがほとんどの貴族たちも満場一致していた。

 だが、エルドウィンは元々病弱であった。そこまで酷くはなく、成長と共に元気になるので問題はないと思われていた。

 だが、病状は5歳の時、予兆もないまま突然の悪化……そのまま亡くなってしまったらしい。

 その後を追うようにセリア様も亡くなった。

 セリア様はエルドウィンが生まれたくらいからよく体調を崩すことが多く、徐々に衰弱していったそうだ。

 エルドウィンが亡くなったショックがあまりに大きすぎたのが原因と考えられている。


 その日からグラディオン王国には大きな変化があった。

 一つはローベルト様の独断によるアドリアンの突然の王太子宣言。

 

 アドリアンは優秀であるがエルドウィンとは雲泥の差。

 しかも、当時のアドリアンの性格は我儘だった。

 貴族達は猛反発。


 その結果、今のような派閥争いが始まったようだ。


 ローベルト様の宣言をした理由を明確にしていないが、アドリアンの母である第二王妃クライシス様の提案が通ったという形らしい。

 現在ではショックから立ち直っているが、王太子宣言をした時のローベルト様はだいぶ参ってしまっていたらしい。


 父上が僕がレイルのお茶会に呼ばれたことをよく思ってないのはこの派閥争いが原因だ。


 ちなみにユベール家はどこの派閥にも属さず静観していた。それはアレイシアと婚約後も変わらず。

 理由は母上の出自。


「え……母上、オーシャン帝国の公爵家の出自なのですか。……父上いったい留学行った時何をしたんですか?」

「なんで留学でのことを知って……いや、ユリアンが話したんたんだろうね。すまないけど、詳しくはいつか話すから今は流してくれるとありがたい」

「……わかりました」

 

 父上は少し恥ずかしそうに言った。

 母上……なんで伯爵家なんかに嫁いで……いや、「なんか」なんて言い方は良くないけど。

 母上も惚気話するけど詳細は教えてくれないんだよな。一体何があったんだか。

 今は離縁されているから僕には直接的に関係ないとのこと。

 いつか話してくれるというのだから気にしないでおこう。

 

 話を戻すが、静観をしている家はいつかある。

 自分の領地の統治を中心にしているいわゆる地方貴族と呼ばれる存在。


 そして、最近パトラス侯爵家にこんな噂が流れている。

 パトラス侯爵家が有力な地方貴族に声をかけている……と。


 中立派の派閥勢力が増えることで派閥争いに大きな影響が出ると父上は危惧している。

 ちなみにソブール公爵家は中立派に形だけ属しているが、実権争いに加わることなく静観をしている。

 

「ここまでが僕が心配していることだよ……わかったかな?」

「はい。大丈夫です」


 心配そうにしている父上に僕はそう伝えた。

 

 今後の立ち振る舞いどうするべきか考えなければ。

 有力な派閥に属するのが一番だろう。今最も有力なのは貴族派だ。

 だが、それは中立派にいる公爵家が動きを見せていないから。

 ならば中立派に属するべきかと考えるも疑問点がある。

 何故ソブール公爵家が動かないのか。

 

 ……わからない。

 とりあえずレイル様に参加の旨を伝えることにしよう。

 招待状の内容には他の家も誘ったと書いてある。

 参加した後、今後の立ち振る舞いをどうするか考えるべきだろう。何故ユベール伯爵家を招待したのかもわかるはず。

 

 一先ず目先の行動を決めた。

 

 ……それにしてもこの世界物騒すぎないか?そう思えてならない。

 この泥沼状態の国。


 ここって乙女ゲームの世界だよ?

 それなのに内乱起こるかもしれないっておかしいだろ。


 三つの派閥って夢ファンの攻略対象の三人いるけどそれぞれ別の派閥。


 夢ファンのシナリオに攻略後の結末はなかった。

 ……つまり、ヒロインが攻略した相手の派閥が最終的に派閥争いを制したってところか。

 

 だが、一つ疑問があるとしたら、アレンルートの結末について。

 オーラスルートとアドリアンルートなら主人公は国を担うことになるだろう。


 だが、アレンルートの結末は?

 領主の妻になるだけで終わるってことか?


 ……だめだ。想像できない。制作側もそこまで考えてなかったのかも知れない。

 なんせ乙女ゲームというのは攻略対象を攻略すれば終わるゲーム。

 攻略後は想像にお任せしますというのが大概だ。


 制作側もそこまで配慮してなかったのだろう。

 後輩キャラはそこまで高すぎる身分じゃなく、ちょうど良いから伯爵にした可能性が高い。

 

 アレンがオーシャン帝国の血筋にあることは乙女ゲームの設定にはなかった。後付け設定か、明記されなかった裏設定かはわからない。

 でも、僕の知ってる限り夢ファンには続編がない。

 

 とにかく今は深く考えるのはよそう。

 お茶会の前にアレイシアとのデートがある。今すぐに決断をしなければいけないわけではない。早期決断がいいとも限らない。

 もしかしたら他の家から招待状が来るかもしれないし。


 出来事は一つずつ順に片付ける。

 まずはデートが終わってから考えよう。

 


最後まで読んでくださりありがとうございました。


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。




派閥争いについてわかりましたか?

こういう少し複雑な構想を書いたのが初めてでうまく説明できているか微妙です。

書いた本人がわかっても読んでくださる皆さまがわからなきゃ意味がないので。


わかり辛い部分がありましたら、申し訳ありません。


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