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内容を大きく編集をしました。

内容は女装の一件を全カットです。

そのため、何話か消去して文章を編集しました。

物語にそこまで影響はありません。女装の一件が無くなったと思っていただければ大丈夫です。


今回の投稿はその連絡を兼ねての投稿です。


編集の関係で次の話から一日一話投稿にします。

変更が多くてすいません。

 香水キャンドルを作ってから2日後、ついにアレイシアとの約束の日がきた。


 お茶会だ。


 準備を済ませてウェルと馬車でソブール公爵邸へ。

 久しぶりに訪れたソブール公爵邸。

 アレイシアは僕をーー。


『ドクドクドクドク』


 かなり強張った表情で出迎えてくれた。

 淡い色のティーガウンのドレスを着ていた。

 

 これが緊張故だとわかってはいたが、改めて対峙すると彼女の不器用さとそれに相反する可愛さがわかる。


 ……さて、僕はここ数日いくつか考えてきたことがある。

 どうやってアレイシアに心を開いてもらうかだ。

 会話を盗み聞きしてしまった僕は、アレイシアが少なくとも僕を好意的に思ってくれているのは確か。

 おそらくアレイシアと接してきた人間の中で初対面で見惚れたと言った人間は僕が初めてだったのだろう。

 アレイシアは初めて褒められた結果、惚れてしまったみたいなチョロインかもしれない。


 素直なのに、重度のあがり症ゆえに事情を知らない人に勘違いされてしまう。

 だからこそどうにかアレイシアが僕に素で接してくれるためにどうすれば良いか考えた。

 まずは挨拶。


「本日はお招きいただきありがとうございます。どんなに今日この日が待ち遠しかったか……愛しの君であるアレイシア嬢と再会できたこと……とても嬉しく思います」

「……」


 まずはファーストアタック……失敗。

 余計に緊張させてしまったかもしれない。


 まだアレイシアと会うのは3、4回目だが、いくつかわかることがあるとしたらまずアレイシアは緊張が限界値を超えるとフリーズしてしまう。


 アレイシアは乙女なのだ。お披露目会で僕以外にフリーズしなかったのは誉め殺しというか……僕のように見惚れたとか、褒めるという行為をする子供が一人もいなかったからだろう。


 他の貴族子女が指摘しなかったのは余裕がなかったから。

 緊張していたのと、アレイシアの表情にビビってしまっていた理由もあるかもしれない。

 

 アレイシアはテンプレートの流れなら問題なくこなすことができる。だが、その規則的なテンプレートから外れるとダメなのかもしれない。


 まぁ、経験を積めば改善できるかもしれない。

 乙女ゲームのシナリオでアレイシアがフリーズした描写はなかった。社交界デビューして5年の経験ゆえに大丈夫だったのだろう。


 乙女ゲームのシナリオが始まるまで間はリタやラクシル様がフォローしていたのかもしれない。


『ああ、これが噂の』


 そのフリーズしてしまったアレイシアを見てウェルが納得したような呟きをした。

 事前に話してある。

 少し、緊張しすぎると止まってしまうことがあると。

 ウェルは半信半疑だったが、今の光景を見て納得したようだ。


「ウェル」

「はい」


 ウェルは名を呼ばれると用意していた青薔薇の花束を僕に渡してくれる。

 ここで二つ目。フリーズ中に要件を伝えたらどのような反応をするのか。

 

「アレイシア嬢、これは心ばかりのプレゼントです。お受け取りください」

「……はい。ありがたく頂戴いたします。屋敷内に大切に飾らせていただきますわ」


 なるほど。停止しても別の要件が起これば意識は覚醒するらしい。

 花束を手渡そうとすると少しハッとしたようだが、アレイシアは花束を受け取った。


「アレン様、来てくださりありがとうございます。精一杯おもてなしさせていただきますわ」

『ドクドクドクドク』


 アレイシアの表情は強張っていた。

 あまり花束はお気に召さなかったのかもしれない。

 屋敷内のどこか、と言うことは遠回しに貴方の厚意は嬉しくないと言う意味になる。


 セカンドアタック失敗。

 まだ、手探りだが少しずつアレイシアの好みを把握していきたい。

 アレイシアは花束を他の使用人に渡して僕とウェルを公爵邸のテラスに案内してくれた。


 移動中、屋敷の使用人たちからの多くの視線を感じる。

 だが、噂をしているわけではないのでどのように思っているかわからない。

 少し気になるも、無視することにした。


 案内された部屋はテーブルが一つ、椅子が二つある屋敷のテラス。

 そこには菓子も用意してあった。

 

「ここはお綺麗ですね」

「ええ、優秀な庭師を雇っておりますのよ」


 花壇にはピンク、黄色など明るい色とりどりの花が植えられており、草木の手入れもされている。

 王宮の魅了されるような白一色の庭とは対照的に見ていて癒される。

 

 アレイシアに座るよう促される。

 今日は互いに従者がいるので、椅子を引いてもらって座る。

 さぁ、一体どのような反応をするのか。

 ファースト、セカンドアタックも失敗、後一つ用意してあるが、様子を見て仕掛けてみるか。

 だが、念のため香水キャンドルは馬車に置いておいた。


 離脱するための理由付けにちょうど良いからだ。

 こうして初めてのアレイシアとのお茶会が始まった。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。

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