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 ソブール公爵から招待され、父上と馬車に乗り向かった。

 向かう途中、父上と僕は終始沈黙だった。

 格上からのご招待、そりゃ緊張する。


 公爵邸に着くと門番から招待状を確認してもらい入場した。


 さすがは公爵邸というのだろう。

 門から入口までは馬車で5分ほど時間がかかった。

 

 整えられた草木や所々にある噴水。本当に綺麗だ。

 

 さすがは王族の次に権力を持つ公爵家。

 ユベール伯爵邸と比べても二倍近くはある。


 僕と父上は屋敷の入り口に着くと乗ってきた馬車を降りた。

 屋敷の入り口には四十代ほどの髪が薄茶色の執事がいて、その周りに20人ほどの使用人が控えていた。


「キアン様、アレン様。ようこそおいでくださいました。ラクシル様より、本日案内を仰せ使っております。リットと申します」

「これはリット殿、ご丁寧に。僕はキアン=ユベール。そして息子のーー」

「アレン=ユベールです」


 リットさんに自己紹介をされ、お互いに簡単な自己紹介をした。

 

『……ふむ』


 挨拶を終えると何故かリットさんに見られる。

 ……なんだろう?僕何かしたかな?

 最近見定められること多い気がするが気のせいだろうか。一応聞き返してみるか?

 

「あの……なにか?」

「いえ、なんでもありません。……ラクシル様がお待ちです。ご案内いたします」


 僕が声をかけるも、リットさんは何もなかったかのように案内を開始した。

 リットさんから向けられた視線はどこか値踏みされているような感覚であった。

 最近なんか値踏みされることが多いような。 


 ……気のせいだな。

 僕は考えを改め、リットさんの後ろをついていった。

 ん?なんかコソコソ声が聞こえる。


『……あの子がお嬢様の』

『ああ、世の中珍しいこともあるものだな。まさかあのお嬢様にね』

『リットさんから聞いた話なのですが、ラクシル様、昨日帰った後ご機嫌だったらしいですよ』

『あーなるほど』


 

 何が珍しい?お嬢様とはアレイシアのことを言っているのだろうか?

 それにラクシル様がご機嫌って何故?


 僕は気になるものの、何もなかったかのようにリットさんについていく。

 

 ここは公爵家の屋敷だ。

 

 挙動不審な態度をとり、これ以上変だと思われたくないし、父上は今でも不安に思っているので、これ以上不安要素を作りたくない。



「ラクシル様、リットでございます」


 リットさんに案内され歩くこと数分、ラクシル様が待っている応接室に到着した。


「お客様をお連れしました」

「リットご苦労だった」


 広い応接室の真ん中に焦茶色の机を中心に明るい赤色のチェスターフィールドソファが二つ。

 その一つの中心にラクシル様は座っていた。

 ラクシル様は僕と父上が来ると分かると少し笑みを浮かべーー。


「呼び出してしまいすまないな。どうしても急ぎ決めたい事項があったから、急遽来てもらった。あまり大層なもてなしはできないが、歓迎しよう」

『え?』


 そう言ったのだった。

 僕は一瞬昨日のように「え?」と言いそうになるのを抑えるが、理解が追いつかない父上は誰にも聞こえないような小声で動揺していた。


 いや……あれ?

 

 何故歓迎しているの?社交辞令かな?


 でも、さっきの使用人たちの会話といい、ラクシル様の態度といい、意味がわからない。

 

 僕たちはどうなるのだろう?


 

最後まで読んでくださりありがとうございました。


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。

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