表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

スタート地点



「勝負あり!!」


父の叫び声が道場に響いた。

俺はそれを聞いて弟の秀作の首に当たる寸前の木刀を下げた。


「はぁ、はぁ、はぁ」


蝉の声がぼんやりと聞こえる。


「はぁ、拙兄、やっぱ強いね」


そう言って秀はその場に倒れ込んだ。


「お、おい秀、大丈夫か?」


いきなり倒れたので心配して近寄ると秀は笑っていた。


「今回も負けちゃったか。でも今回は割といいところまで行ったと思うんだよね。だから次こそは僕が勝つよ拙兄」

「確かに今回のは危なかったな、でも今度試合するときは俺はさらに強くなってるから危なげなく勝ってやるよ」


事実今回は秀に本気で負けそうな場面が何個かあった。それが悔しかったので少し煽り気味に言ったためか秀は反抗的な目になって言い返した。


「じゃあ僕は拙兄よりも成長して僕が危なげなく勝ってやる!」


そう言って地面に置いていた木刀を掴んで構えた。


「拙兄、今から特訓しよ」


その目はやる気に満ち溢れていた。

俺はそのやる気に応えようと構えようとすると父親が近づいてきた。


「特訓は素晴らしいが先に試合での反省点をお互い述べてからな」


俺は2人で頑張ろう的な雰囲気に水を刺されたので父さんに不満げな視線を送った。秀は今すぐに帰りたそうな顔をした


「なんか文句あるか?」


父さんが俺たちを睨んだ。俺たちはすぐに正座をして父さんを見た。

俺たちは今蛇に睨まれるカエルと同じだろう。

そして俺たちはさっきの試合での反省点を述べた。その後、父さんは俺の方を向いて、俺に細かくアドバイスをした。構え方はどうとか、この動きはこうするとかなんとかかんとか。

そして次に秀の方に向いて言った


「頑張れ」


その一言だけだった。

秀はただ、はい、と言ってうなずくだけだった。


「じゃあ、俺は自室に戻る。何かあったら来い」


そう言って道場を出た。

そして秀は少し泣きそうな目になりながら


「拙兄、特訓」

「あぁ、やろう」


その後日が暮れるまで特訓をした。

そして飯食って、一緒に風呂に入って、同じ部屋で寝た。

 これは俺の過去の話である。

中一までは全部この通りではないけど大方このような生活を送っていた。

やっぱり歴史の授業は嫌いだ。暇すぎて小さい頃の記憶を思い出してしまうから。現在の剣城 拙くんと比べたら月とスッポンだよ。そしてこのような記憶を思い出すたびに毎度毎度考える事がある。


ーーー昔は良かったーーー


昔に戻りたいと言うわけではなく昔のような生活に送りたいと考える。

そうやってぼーっとしながら授業を聞いてるとおでこに何か固いものが当たった。

床に落ちたそれを見るとチョークだった。

顔を上げて先生の方を見ると鬼の形相で俺を見ていた。


「剣城、お前は先生が何回も呼びかけたのにそれに反応しない程ぼーっと出来るって事はそれだけ個々の単元が余裕って事なんだろうなぁ!」

「へっ?」

「じゃあ、今からお前にさっきやったことの復習をするから一文も間違えずに答えろよ。間違えたら立っとれ!」


まず今やってる単元が何か分からないし、そもそも歴史が苦手だということから導き出される答えはただ一つ


終わった


「第一問、日露戦争の日本海海戦で活躍した日本人の名前は」


俺はもう勘でいくしかないと考えた。


「あ、足利義満」

「な訳ねぇーだろ!たっとれぇ」


先生の怒号とクラスメイトの笑い声が教室中に響いた。

結局、授業が終わるまで立たされた。

休み時間にクラスの誰かが俺のことを笑っているのが聞こえた。


「あいつぼっちでその上頭も悪いなんて救いようがないな。あっはっは」


やっぱり歴史の授業は嫌いだ















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ