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3話

 ドングリ池につくと、水面が等間隔に揺れていました。小さなものを投げ込んだ波紋が、等間隔に広がっては消えていきます。コマドリたちはドングリ池にせっせとドングリを投げ入れるリスに声をかけます。

「リスさん、私の卵を隠したのはあなたかしら? あなたでしょう!」

 コマドリはリスが横に置いていたドングリを蹴りながら詰め寄ります。ころころと転がっていったドングリがドングリ池に落ちていきます。

「あらあらリスさん、そうなの?」

 コマドリを追いかけて、キツネもリスに近寄ります。一方ヘビは自分のペースでゆっくりと2匹についていきます。

「卵?卵ってなんのことだい?」

 コマドリたちの突然の訪問に驚きながら、リスは散らばっていったドングリを拾い始めます。また落ち着きの取り戻せないコマドリに代わって、キツネが事情を説明する。その間、リスはうんうん頷きながらドングリを集めます。話し終えると同時にドングリを集め終わったリスは、ドングリをひとかじりしてから答えました。

「うーん、卵ねー。知らないかなぁ。最近はここでずっとドングリを投げていたからね」

 というと、リスは持っていたドングリをひとかじりします。

「リス、もしかしてあの話を信じているの?」

 ヘビは首を傾げます。

ドングリ池には、願いを言いながらドングリを投げ入れると実現するという迷信があります。ただ、過去に挑戦したものたちがいましたが、今まで実現したものはいません。なので、最近では試すものはほとんどいませんでした。

「そ、そんなわけないじゃないか。いい悪戯が思いつかないから、暇つぶしにしていただけだよ。そんなことより、卵のことだけど」

 リスは話を切って、かじりかけのドングリをドングリ池に投げ入れます。ぼちゃんと落ちたドングリがより一層大きく水面を揺らします。

「卵に関係しているかは分からないけどね。クマがキミの巣の近くであたふたしているのを見たよ」

「あの怖がりのクマが何かできるとは思えないけど、何か知っているのかもしれないわね」

 こうして4匹はクマを探し始めました。


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