夏休みのとある一日
俺は勇者。
今、魔王に奪われた物を取り戻すための旅の最中だ。
魔王め、俺の物を悪気なく奪いやがって...許さん!
そう考えているうちに、灼熱地獄のような場所に着いた。
ここを通らねば、望んでいる物は手に入らない...俺は覚悟を決めた。
マグマがぐつぐつといっているが、俺は等間隔に飛び出た石を足場にして、ぴょんぴょん跳び移る。
順調だった。
なのに、最後の最後が遠い。
なぜだ、神は俺を地獄へと突き放すつもりなのか?!
そして、目の前にいる女王が言う......
「こら、早く横断歩道渡りなさい。
弟に食べられたプリン、買いに行くんでしょ?」
勇者はプリンを求め、最後の足場を跳んだ。
無事に横断歩道を渡りきり、スーパーへと勇み足で行くのであった。
今年も、平和な夏休みは終わる。
来年の夏休みも、どうか平和に。