ゆらゆら。
今日は天気がいい。
広い庭にブランコが優しく揺れている。
もうこんな時間なのね。
暖かい風が少し部屋に入ってきては抜けていって、カーテンを優しく揺らしていた。
もううっとりしてしまいそう。
午後がこんなにも優しくきらきらしてるなんて。
空気がこんなに柔らかいなんて。
忘れていたわ、ずっと。
それでも頑なに、時計は時を刻み続ける。
あなたも、少しお休みになれば?
私は、少しおもしろくて頬をゆるめた。
心が時間を許してる。
世界が私を見捨てたみたい。
自由?解放?
そういうのじゃないのよね。
知りたかったものがここにあるみたいに、ずっと前になくしてたと思ったものが出てきたみたいに。
私はこの時を大切にしてる。
そう、どこかで。
いま私の足下にはくすぐったい風があそんでいて、部屋は明るくなって。
私は刻々と流れる時間の中で、生きている。