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人狼学園  作者: 天草メイ
4日目
34/39

第4夜


弓道場には武器が一式置いてあった。弓矢、猟銃、ナイフ、ロープ……猟銃の使い方を書いたメモまで置いてある。


「これを持っていれば、とりあえず安心だろ」


「カケルが狩人だったとはね。心強いな」


「似合ってるし」


「でも今まで1人も護衛できなかったけどな」


「まあ、これから私たちのこと守ってね!」


「ああ」


「で、どこを探す?」


手元の時計は20時を回ろうとしている。


「残り4時間だ」


「時間はまだ十分にあるな」


「でもこの広い校舎の中じゃ、全然検討もつかないな」


「手分けして探すか」


「でも4人一緒じゃないと不安だよ……」


「そんなこと言っていたら見つからないよ」



「待って、マイカのいる場所ってもしかして……放送室じゃない?」


「なんで?……あ!」


「私たちが人狼裁判をしている時、放送が鳴るじゃない?それって、放送室からマイカが放送を流しているってことじゃない?」


「そうか!じゃあ放送室に行くか」


そうして私たちは、A棟1階の放送室に向かった。放送室は職員室の隣にある。しかし____




「鍵がかかって開かない」


「中からかけられているのか?」


「でも、放送室って放送部の部室と兼用だよね?放送部の鍵は、私の部屋の社会科研究室にかけてあった気がする」


「キョウカ、それは本当?」


「うん。たしか」


「よし、社会科研究室に行ってみよう」


私たちは社会科研究室に向かった。







たしかに、入り口付近にはテニス部と弓道部と放送部の鍵があった。


「よし、これで鍵が開けられるね」


もう一度放送室に向かった。






キョウカは鍵を開けた。


カチャリ……




武器を構えたカケルを先頭に放送室に入った。


「誰かいるか?」


……


返事はない。


さらに奥まで進んだが、誰もいない。


「放送室じゃないのか……」


「やっぱり死んだマイカがいるはずがないよな」


「でも、ゲームマスターからのメッセージって、明らかにマイカの字だよ」


「そうだけどさ」




「もう一つ放送流せる部屋がある!」




カケルが閃いたように言った。


「え?」


「職員室だよ。緊急連絡用に、職員室にも放送設備があるはずだ」


「そういえば前職員室に入った時、たしかにマイクがあった気がする」


「職員室はすぐ隣だね」


「行ってみようか」


私たちは放送室の隣、職員室に向かった。





職員室の電気は点いたままだった。しかし、ここも鍵がかかっている。



「職員室の鍵は……」


「隣の事務室にあるはずだ」


さらに隣の事務室から職員室の鍵をとって、職員室の鍵を開けた。


「誰かいるか?」



……



返事はなかった。




しかし奥にある放送設備の近くに進むと……








見馴れた、痩せ細った、黒髪の少女が立っていた。











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