第4夜
弓道場には武器が一式置いてあった。弓矢、猟銃、ナイフ、ロープ……猟銃の使い方を書いたメモまで置いてある。
「これを持っていれば、とりあえず安心だろ」
「カケルが狩人だったとはね。心強いな」
「似合ってるし」
「でも今まで1人も護衛できなかったけどな」
「まあ、これから私たちのこと守ってね!」
「ああ」
「で、どこを探す?」
手元の時計は20時を回ろうとしている。
「残り4時間だ」
「時間はまだ十分にあるな」
「でもこの広い校舎の中じゃ、全然検討もつかないな」
「手分けして探すか」
「でも4人一緒じゃないと不安だよ……」
「そんなこと言っていたら見つからないよ」
「待って、マイカのいる場所ってもしかして……放送室じゃない?」
「なんで?……あ!」
「私たちが人狼裁判をしている時、放送が鳴るじゃない?それって、放送室からマイカが放送を流しているってことじゃない?」
「そうか!じゃあ放送室に行くか」
そうして私たちは、A棟1階の放送室に向かった。放送室は職員室の隣にある。しかし____
「鍵がかかって開かない」
「中からかけられているのか?」
「でも、放送室って放送部の部室と兼用だよね?放送部の鍵は、私の部屋の社会科研究室にかけてあった気がする」
「キョウカ、それは本当?」
「うん。たしか」
「よし、社会科研究室に行ってみよう」
私たちは社会科研究室に向かった。
たしかに、入り口付近にはテニス部と弓道部と放送部の鍵があった。
「よし、これで鍵が開けられるね」
もう一度放送室に向かった。
キョウカは鍵を開けた。
カチャリ……
武器を構えたカケルを先頭に放送室に入った。
「誰かいるか?」
……
返事はない。
さらに奥まで進んだが、誰もいない。
「放送室じゃないのか……」
「やっぱり死んだマイカがいるはずがないよな」
「でも、ゲームマスターからのメッセージって、明らかにマイカの字だよ」
「そうだけどさ」
「もう一つ放送流せる部屋がある!」
カケルが閃いたように言った。
「え?」
「職員室だよ。緊急連絡用に、職員室にも放送設備があるはずだ」
「そういえば前職員室に入った時、たしかにマイクがあった気がする」
「職員室はすぐ隣だね」
「行ってみようか」
私たちは放送室の隣、職員室に向かった。
職員室の電気は点いたままだった。しかし、ここも鍵がかかっている。
「職員室の鍵は……」
「隣の事務室にあるはずだ」
さらに隣の事務室から職員室の鍵をとって、職員室の鍵を開けた。
「誰かいるか?」
……
返事はなかった。
しかし奥にある放送設備の近くに進むと……
見馴れた、痩せ細った、黒髪の少女が立っていた。




