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朝目が覚めるとそこは知らないところだった。辺りを見渡しても何もない。あるのは自分が寝ていた大量の落ち葉の上にひろがっている大きな布
「ここはどこなんだ……?」
どうやら森っぽいが
……よくわからないがなにか神々しい。あれ? 全然寒くない。外国かな? 今更ながら服すら着ていないことに気付き布を身体に巻き付ける。
その時突然、左の方から声がする。
「人間!?」
まるで漫画やアニメやゲームなんかに出てきそうな感じの
腰元まで伸びたストレート金髪碧眼の
美少女だった。
「お前ここで何をしている!」
怒っている、と言うよりは警戒している。
まぁ、不幸中の幸いと言うのか
言葉が通じなさそうな感じではなさそうだ。
「俺は何でここにいるんだ?」
「私が知るか!」
かなりしっかりと身構えている。
腰にさしているナイフっぽいものに手をかけている。
これはまず俺が害を加えるつもりがないことを示す必要がありそうだ。
「このとおり俺は服すらない状態なんだ」
「ひぁっ! お、おお、おっぴろげるな! 汚いのを私に見せるな!」
「ここがどこなのかすら分からないんだ。信じてくれ」
「分かった! 早くそれをしまえ!」
あれ? なんか意外とすんなり信じてくれた。
美少女は少しの間こちらを凝視した後
「ついてこい。村まで案内してやる」
十分ほど歩いたか
村に着いた。
「ヒアラ、おつとめご苦労様」
そこにはセミロングの黒髪を首もとの辺りでゆったりポニーテール?にしているかわいらしい優しそうな女性がいた。
そして胸がそこそこの大きさ。
「あぁ、村長はいつもの通りギルドにいるかな?」
「えぇ、多分いると思うわ。……あら? ヒアラ、そちらの方は?」
どうやら金髪碧眼美少女はヒアラとゆう名前らしい。
「こいつはどうやって入ったのか森にいたんだ。行く時にはいなかったのだが帰る時に森に突っ立っていた」
「あらあら」
「そうだお前、名前は?」
ヒアラが名前を聞いてきた。
「かなた」
純朴に返す。
「ではカナタ、あの森にどうやって入った?」
「目が覚めたらあそこにいた。そんですぐにあんたに発見された」
「はっきり言ってあまり信じられない」
信じてはなかったのか。
「ならなぜ俺を村まで連れてきてくれたんだ?」
「あの森で変なことされても困るんだ」
あの森はどうやら何かあるらしいな。
神聖視されている感じを受ける。
「あんたはあの森で何をしていたんだ」
「余所者に儀式のことを話す気はない」
「儀式?」
「あっ……。とにかく村長のとこへ行くぞ!」