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5話 戦闘ー2

ちょっと遅くなりました。

今日はこれだけですが、楽しく読んでください。

「はぁ、はぁ、はぁ」


私は今森の中を走っている。幸いにも住んでいたところが山の奥だったため、山や森の中での行動には慣れている。まあ、今の体は元の高校三年生の男の体ではなく、10歳の女の子の体であるため、前ほど自由に行動することは出来ないし疲れも多い。


それでも、もう2時間近く走られたのは、スタミナポションのおかげだ。話k来安く言えば、疲労回復製で強制的に夜勤し続ける事と同じである。まあ、その疲労回復製の効果が桁駄外れではあるのだが。どう考えても、体にいい方法ではない。


ここまでして、走り続ける事には当然理由がある。狼に襲われて思い知ったのだ。ここで夜を迎えてはならない、と。私のレベルは30。5000が最大レベルであったゲーム時代の中では、最大レベルの100分の1にも満たないレベルだ。そんな低いレベルより強い動物はこの森の中にはうろうろしている。レベルもあっちが上なのに、視野さえちゃんと書くほう出来ない夜をここで迎えたら・・・1度や2度死ぬだけでは済まないだろう。もちろん、復活は可能であるが、それでも死にたくは無い。痛いのは嫌だ。だから、無理をしてでもこの森の中から昼中に抜け出そうとしているのだ。


「ゴク、ゴク、ゴク」


もう、一本のスタミナポションを飲みながら走る。この一本が最後の一本だ。これからは、無理に進むことは出来ず、ちゃんと休憩を取らないとならないだろう。そう思っていたとき、森の外が見え始めた。


もう少し、もう少しでここから出られる!


もう一頑張りだと思い、疲労など気にせず力を振り絞る。やがて森の外につき、そこで私の目の前に広がっていたのは、


「随分と見晴らしのいい場所だな。」


広く見晴らしのいい草原。本当に見晴らしがよく地平線も見える。そんな、視界の端には町、いや村に近い集落が見えている。


よっしゃ!森からの脱出成功!ダンジョンから脱出したら今度は森からの脱出だ何んて、これ脱出ゲームじゃなかったはずだよね?まあ、いいや。町も見つけたし。


そう。私はこのとき完全に浮かれて油断してしまっていた。だから、背後から迫ってくる巨大な危険を察知できず、接近を許してしまったのだ。


「けふっ?!」


右側からの強力な衝撃によって吹き飛ばされる。そのまま2,3メートルを飛び、血面に叩き付けられた。


痛ぇ!?なんだ!?いったい、なにが起きたんだ?!


右腕は、骨が折られてしまったのか、すごい激痛が私を襲い、腹部からはだらだらと血が流れている。多分、頭部にも傷が出来てしまったんだろう。視界がどんどん赤に染まっていく。


インベントリの中から、『エルダアイスワンド』を取り出し、痛みに耐えながら、左手で握る。走るとき邪魔になるため、『エルダアイスワンド』をインベントリの中に入れておいてのが幸いだった。もし、右手で握ったままだとしたら、先攻撃で折れてしまった可能性がある。


「カァアアアアアア!!」


私がもともとたっていたところを見るとそこにいたのは、赤い熊であった。色については正確だとは言いがたい。何しろ、今の私の視界は全部赤に染まっている状況だから。


多分、私が走っている音に刺激されてしまったのだろう。奴は、両足に立ちこっちをにらんでいる。どう見ても、やる気満々だ。


「くそぉ。ゴール地点が目の前にいるのにここで出るのかよ・・・。」


どうする。あの様子を見ると戦うしかないのは確実だ。多分もう一発殴られたら、こっちは確実に死ぬ。だが、アイスボルトならともかくファイアボルト、ライトニングボルトでは致命傷になりにくい。それに、アイスボルトも狼のように避けてしまったらそれまでなのだ。


足がプルプルと震えている。先の攻撃の衝撃に筋肉が驚いたのもあるが、私自身の恐怖もその震えに含まれていた。今のままでは到底歯が立たない。このまま死んでしまうかも知らない。例え、すぐに復活できると言うことを知っていても、生物的に本能と言ってもいい恐怖に襲われる。


方法は無いのか?!なにか、隙を作らずあの熊を葬る方法は?!


そして、何かを思い出す。まだこの世界に来てから試していないスキルを。正確には、この世界では魔法の効果がどう現れるか知らなかったため、試していない魔法を、だ。


確かにこれならあいつを葬れる。だが、本当に成功できるのか?もし、暴走したら私のほうが失敗するかも知らない。それでも、するべきなのか?何か他の方法は?


・・・・だめだ。もう考える時間なんか無い。試すしかない。このままじっといてもどうせ死ぬ。なら、少しでも可能性のある方法とるのがいい。何、死んでも復活できるだろう?なら、心配ない。・・・・無いはずだ。・・・・・無い、だろうな?


そう思いながら、左手に持っていた『エルダアイスワンド』をくまに向けるのであった。

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