18話 山賊退治
「兄貴、兄貴。あのガキはどうするんですか?」
俺の名前はウズ。山賊をやってる。
昨年の不作で、村全体が税を払えずにいたと言う理由で領主から村全体が犯罪者に認定され、騎士団が急襲。捕縛された村の皆は奴隷とされた。俺は領主のいる街に移動中、どうにか逃げ切ることができたんだが、他はそうならなかった。
俺の家内も息子もまだ捕まえている。助けたいんだが、今の俺じゃ奴隷になったあいつらを買う金も、領主を襲って奪い取る力もねぇ。今までただの農夫に過ぎなかったんだよ、俺は。むしろ、今すぐ俺が食っていけることすら危うい。街に入って働くにしても、犯罪者となってしまった俺では街に入ろうとしたらそこで捕まってお終いだ。だからと言って、元にやっていた通り何処かの村に入り農夫生活に戻るにしても昨年の不作のせいで、元手も何もない奴を受け入れてくれる所は無い。で、生活のためにも山賊になったわけだ。
まあ、山賊といっても未だ、山賊らしいことは何もしてねぇ。とこかの盗賊団に入っていたのなら話は違ったかも知らないが、どこにアジトがいるかも分らねぇ。で、一人で空き家とか入ってこそこそ食料や金になりそうなものを盗んできたというわけだ。
やっていることは、ほぼ泥棒と変わらないが、あえて山賊と名乗っているにも理由がある。この業界ではなめられたら終わりだ。ちっとは見栄を張っておく必要があるってもんだ。
「そうだな。さらってから売ってしまおうか。」
「やはり、兄貴!山賊の定番通りに行くと言う訳っすね!」
こいつはゲース。この前盗みに入った村の倉庫に捕まえていた奴だ。話を聞くに、私と似たような理由で泥棒をやっていたそうで、助けてくれで自己紹介したら俺を一人でも活動できる凄腕だと感じ違いしたのか、俺を兄貴と呼びながら俺についてきている。こいつが、付いて来てから今日が初めての仕事だ。いつもどおりにこそこそと盗んで出るつもりだったんだが、ガキがいてしまった。ばれてしまったなら仕方がねぇ。こいつに舐められないためにも、あのガキはほっとくことはできねぇ。これで、初めての山賊らしいことをするという訳だ。
クン!!
「なんだ?」
何かが落ちる音がしたようだが。聞こえてきたのは家の中ではなくここの裏庭からだ。って、まさか!
「あのガキ、窓からにげったのか?!ゲース、お前は外に出て何が落ちたか確認しろ!ガキならなるべく捕まえて欲しいが、できないなら殺してしまえ!俺は二階を確認する!」
「了解です!」
くそぉ!ここであのガキ逃してしまったら、村人に捕まえられてしまう。ここで、終わる訳にはいけねぇんだよ!
「出て来い!糞ガキ!」
ドアをけって入った部屋には誰もねぇ。やっぱり逃げたのか。ゲースの奴が捕まってくれたら良いんだが・・・。
クカァン!!
「きぇええええええ!!!!」
何処かで聞こえてくる爆発音と悲鳴の音。何だ?!一体何なんだ?!
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「きぇええええええ!!!!」
「うるさいわね。おっさん。」
私は悲鳴を上げながら地面に転がっているおっさんの頭をワンドで力いっぱい殴る。そこまでしてやっと気絶したのか静かになる。
私がしたのは簡単だ。魔法の準備ができたから、わざと物音を上げて窓から外に出た。家の中で魔法ぶっ飛ばしたら家がぐちゃぐちゃになる。だから、外に誘導して始末しようとしたのだが、一人は家のまだ家の中にいるようだ。
むむ。予想より賢い。おと立てたらのこのこと出てくると思ったのに。まあ、また魔法を準備する時間もできたし別に良いか。
それにしても、この魔法は人に使うのは控えたほうが良いかな。肉が焼かれる匂いもするんだけど、所々、凍っているし、腕とかあらぬ方向になじられているし。熊の場合は毛皮がいたからダメージ減らしてくれたのか、見た目は大丈夫そうだったんだが人はそうは行かないようだ。
まあ、一語とに言ってグロい。一応、生きてはいるようだがグロいからこれはやめよう。まあ、次は感電することにしたら良いか。




