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11話 シスターノーア 2

それからは、今まで通り何の変化も無い日々でした。もともと、10歳過ぎてから、私より年の低い子供達の世話をしてきましたから。今までとすることには変わりありません。あ、でも食事のときに神父さんの隣の席に食べるようになったなど、小さな変化はありましたね。それに、教皇庁に行って正式的なシスターにもなりました。


それから、4年くらい経ちましたね。彼が私を院長室に呼びました。


「お呼びですか?先生。」


「ああ。実は君にお願いしたいことがあってね。」


ちょっと、言い難そうなな様子で彼は言い出しました。一体、何のことでしょうか?また、子供でも拾ってきたのでしょうか。まあ、仕方ないでしょう。彼はそういう人ですし、私もその優しさに助けてもらった人です。けど、このままだと孤児院の経営が危ないかも・・・


「なんですか?また、子供を拾ってきたのですか?前にも言ったでしょう?これ以上子供を増やすとさすがに破産するって」


「いや、今回は子供の件じゃないんだ。」


「では、なにを?」


子供の件じゃなければいったい何のことか、私には理解できませんでした。一体何のことでしょう?でも彼なら孤児院に害があることは絶対しないでしょう。いつも私達のために、他の人々のために尽くしている人ですから。


「孤児院を君に任したい。」


私は耳を疑いました。孤児院を私に任せたい、と?彼がほとんどの人生をかけて築き上げたこの孤児院を?


「いったい、どういうことですか?!ここを私に任せたいって!」


「落ちつけ。理由を説明するから」


私に孤児院を任せて彼は何をするつもりでしょうか。どこか、遠くへ行ってしまうのですか?そんなのいやです!私が、ここに残ると決めたのはあなたがいるからです!


「この街近くにミルンーダ村という小さな村があってね。そこには快復魔術を使える司祭も医者もない。俺はそこに教会を立てようと思っている。そうなると、この孤児院の面倒はもうできないだろう。だから、俺とともにここで働いてくれた君ならここを任せると思って頼むのだ。」


私をそこまで評価してくれるのはうれしかった。うれしいのだが、彼と別れたく無かった。


「私も付いて行きます。」


「何を言ってるんだ。君も俺に付いていってしまったらこの孤児院はどうする。」


「教皇庁に申請書を出します。教皇庁が運営する孤児院にすれば心配ないはずです。」


「馬鹿なこと言うな!確かに教皇庁が運営してもらえるならこの上ないが、不可能に近いことは君だって知ってるんじゃないか!」


「なら、このダルムの街の官庁に申し出れば良いです。この街の孤児院はここだけですからダルムの街側もここがなくなると困るでしょう。」


ああ。そのときの私も若気の至りでしたね。彼にとっては孤児院が心配でしたのでしょう。いえ、正確には私も含む孤児院の皆が心配だったのでしょう。なにしろ、来てみたらちゃんとした店も無い本当に小さな村です。街からの生活に慣れた私にはこの村の生活は本当に不便でしたからね。


「・・・・そこまでして俺に付いてきたいのか?」


「はい。」


「分った。なら、一緒に行こう。」


ああ。まだ彼と一緒に行けるんですね。この時まで私は、彼との新しい生活を期待していました。だけど、私の期待とは大きく外れた未来が私を待っていました。

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