10話 シスターノーア
「・・・眠ったようですね。」
私の名前はノーア。
このミルンーダ村の教会でシスターをやっています。この教会では私以外にシスターや神父さんがないため、私一人で教会を営んでおります。最初から私一人で教会を始めたわけではありません。教会を立てた5年前はもう一人、神父さんがいました。
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私はこの村から一番近い街であるダルムの孤児院で住んでいました。その孤児院は一人の神父さんが孤児院長をやっていました。髪は白髪で白い髭生やしていまして、一見年をとった爺さんにも見えるんですが彼は50歳と人々の予想よりはるかに若い人でした。はい。私をこの村に連れてきた人です。彼はとても優しい人でした。街に孤児を見かければ捨てて置けず、連れてきて世話をしている途中にこの孤児院が出来たほどですから。私はそんな彼をあこがれていました。
私は物心が付いた頃にはすでに孤児院で住んでいました。親の顔なんか知りません。親が私にくれたことはこの名前しかありません。そんな人には何の興味もありません。
あ、話が脱線しましたね。つまり、私を育ててくれた人は実の親ではなく彼と言うわけです。私にとって彼が母親で父親でありました。多分、孤児院に住んでいたほかの子供達もそうだったと思います。
私が孤児で、そんな私を含めて多くの孤児を育ててくれていることの意味を理解できるとしになって、私は彼を尊敬することになりました。自分の欲望のためではなく、他の人々のために彼は私財を使っていました。彼自身は貧相で古い修道服を着ているというのに、私財を使って私達にはあ新しい服を買ってくれました。私達を拾わなければ、肉料理とかもっと美味しい物を食べれるはずなのに私達と同じく決して美味しくとはいえない物を食べました。路頭を迷っていた私達を助けてくれたのです。本当にすごいとしか言いようのない人でした。私にはできないことでしょう。私は、私たちを助けてくれた彼に憧れていました。
時は矢のごとく過ぎていきました。
私は15歳になり、これ以上孤児院で育ててくれない年になりました。これからは、社会に出て自分が生きるために働く年になったのです。
他の子供達はこの年になることを待ち望んでおりました。それも当たり前です。いくら、神父さんが頑張ってくれているといっても子供達を一般的な家庭のような豊かな生活を出来るようにすることは不可能ですから。それでも、スラムの生活よりは豊かでしたが彼らはもっと豊かな生活が欲しかったのでしょう。だから、孤児院を出るとき彼らの顔はいつも笑顔でした。普通はそうです。人が今より豊かな生活を求めることは当然のことです。だけど私は、そうでは無かった。もっと彼と一緒にいたかった。だから私は彼にお願いしました。
「院長先生。私をここで住み込みで働かせてください。給料は無くてもいいです。お願いします。」
と。彼は困惑した顔をしました。確かに、孤児院は人手不足です。彼一人で孤児院を営んでおりますから。だけど、人を雇う金はありません。そんな金があるなら、子供達にもっといい服を買ってくれるのが彼ですから。
「本当に良いのか?君も知っている通りここでは満足できるような給料もあげないし、満足できるような生活もできないんだが。」
「はい。良いです。私はここで働きたいのです。」
「・・・・分った。明日から、またよろしくな。」
私のことを考えたのでしょう。彼は一瞬悩みましたが、許可をくれました。
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」




