8話 感触
部屋の中に緊張感が漂う。
いつでも逃げられるように窓を背にする位置を取り、『エルダアイスワンド』をドアに向かって構える。もちろん氷柱を待機させたままの状態でだ。これで、いつでも氷柱を飛ばせる。
ギィイイイ
ノックに対して何の返事もしなかったことをまだ寝ていると判断しただろう。ドアが音を上げながら開かれる。ヒンジに錆びが付いたのだろうか。不気味な音がドアから聞こえる。その不気味な音が余計に私の緊張感を強める。
もう、やるしかない。覚悟を決めよう。相手が見えた瞬間氷柱をぶち込むのだ。そう。相手が見えた瞬間に・・・・
「あら、もう起きていたんですね。服を持ってきましたから。」
初めての人殺しの覚悟を決めている途中に入ってしまいtッスラらをぶち込むタイミングを逃してしまった。
しまった!!!!これだと私の身が危険だ!!主に性的な意味で!!遅くても、氷柱をぶち込んだら間に合うかも知らない。だから今すぐにでも打ち込めよう!まだ間に合うはずだ!
そう思い標的を認識するため、相手を見た瞬間私は呆気にとられてしまった。
「もう、動いても大丈夫ですか?あ、それは・・・魔法使いでしたね。」
入ったのは太った身で私を舐めるようにじろじろと見ている目のにごった恩人ではなく、160センチメートル位の女性であった。私と同じロングヘアではあるが、その色は私と違って茶色であり、黒い修道服を着ている。世間でシスターさんの格好だ。そんな彼女が心配そうな顔で私を見ている。
あ、やば。何かこみ上げてくる。
「うええええええええええ~」
「え、ちょっとなんで?まだ傷が痛いんですか?それとも何か怖かった?」
つい、泣き出してしまった。
私が泣き虫だからじゃない。いや、ちょっと考えてみろよ。右も左も分らない状態でこの世界に放り込まれ、慣れない小さな体で暗い洞窟の中をいつ敵に襲われるか分らない状態で、緊張してやっと脱出したと思ったら、今回は外の森で狼の群れに襲われるし、どうにか撃退して森から抜け出しもうちょっとで人が住んでいる村に到着できると思いきや熊に襲われたのだ。それに、起きてみると完全に知らないところだし、裸だから余計に助けてくれた人に対する不信感が強くなり、恩人さんってロリコンだと思ったのだ。こんな小さい身に欲情する人って怖すぎるだろう。その上、体も万全な状態ではない。本当にどうなるか不安だったのだ。
「よしよし。もう大丈夫ですよ?」
「ひっく、ひっく、うう・・・・・」
集中が途切れたためか、いつの間にか待機していた魔法が解除され氷柱はなくなっていた。そんな状態で、私は彼女に抱きつく。彼女もちょっと驚いたけど私を抱きしててくれた。彼女の胸でなきながら、予想外の感触を30分ほど楽しむ。そんな、私を彼女はやさしく頭をなででくれた。
ちょっと予想外なことが色々混じっているが、計画通りだ。




