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八 若衆宿

 りんが鎧通しを鼻に当てようとしたその瞬間、飛んできた煙管がりんの膝の前にぐさと刺さった。

 りんは親方を見た。

「やめい!お前達、そんなことをこの子にさせてまで生き延びたいのか!この子は本当に自分の鼻を削ごうとしたぞ!それが本心か!」


 若衆達は首を垂れ押し黙った。

「お前はただ者ではないな!」

 りんは土壇を睨み付けていた。


 先からりんを凝視していた一人の若衆が叫んだ!

「そ・・・その子は!阿修羅じゃ!あの前田慶次の『長黒髪』じゃ!」

「おお!そうじゃ!四条河原で一瞬で何人もの首を取った阿修羅様じゃ!わたいも観ていたわい」

 後ろの番人達はそれを聞いて一歩下がった。背中がぞぞと寒くなった。

 親方は呆気に取られていたが、にやりと笑って煙管を横口に含みそのまま言った。

「・・・では下働きをして貰おうか。その顔は炭で汚して頬被りでな。客は取らさぬ」



 お船達を屋敷に送った小吉は、急いで伏見の屋敷に戻った。しかしりんは帰っていない。胸騒ぎがした。りんが言いつけに背いたことはかつてない。


 儂はりんを今宵、傷つけたかも知れぬ!

 落ち着いて待って居られず、ついに小吉は屋敷を掛け出でた。

 四条に戻り、店じまいをして酒盛りをしている神人達にりんを見かけたか問うた。

 りんの容姿は目立つ。何人かはりんが通ったことを覚えていて、小吉はその言に従って鴨川を南下して行った。よがり声を上げている交合中の連中をも問いただし、りんが宮川筋に連れて行かれたことを突き止めた。

 宮川筋には女娼に代わって男娼の楼閣が建ち並び始めた。女色を絶った僧侶や小姓好きの武家が通う場所という。


 寄りによってそのようなところに!


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