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雛型編 4
5つの本の噂というのを聞いたのも、それが分かってからだ。
もっとも、都市伝説や陰謀論の類だと思って、知らなければ何とも思わない話だっただろう。
それも、この本を持っていたからこそ、信じるという気持ちにされた。
誰かに話をしてみてもいいものの、そこからどこか怪しい組織に話が広がっていても困る。
残りの4つの本も集めてみたいという気持ちはあるが、それにするには時間も空間も足りないだろう。
この世界に本当にあるかといわれたら分からないからだ。
だが、噂ということは、どこから漏れてくるかわからないものだ。
俺が持っているという話も、どこからか漏れ出たようだ。




