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神の計画  作者: 尚文産商堂


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悪神編 3

手野黒姫社は、たしかに守り人を置いていた。

だが、今は空き家になっているようだ。

代わりに守り人の代理神が住んでいた。

代理と言われているだけあり、少しばかり神通力が使えるようだが、それにも限度がありそうだ。

それでも話をするだけでは問題はないし、誰かがここに来るということも少なそうだ。

わざとそういう造りにしておりのだから、あやつの頭の中はよくわからぬ。

「おや、おぬし。親はどこに行ったかえ」

その代理神に尋ねてみても、どうやら男子高校生と呼ばれる男についていったらしい。

世界を見て回りたい、と言っていたそうだが、そのためここにはいないとのことだ。

それが最大の問題ではあるが、当面の問題ではない。

「ふうむ、困ったのう。ここに来れば何か来るかと思うたんじゃが……」

「主に連絡をしましょうか」

代理神はそう言ってくれたが、気持ちだけいただくことにしておこう。

「いや、構わぬ、構わぬ。さりとて、問題がなくなるわけではないがな」

少しの間なら、ここに逗留しても構わぬだろう。

「そうじゃ、砂賀藩(すながはん)……と、砂賀町へはどう行けばいいか知っておるか。そこに行っておきたいのじゃが」

「岡山県の砂賀町ですか。ここは手野市なので、まず新幹線か、あるいは手野鉄道か、JRか、それとも別の鉄道か、高速バスかにお乗りになられて、岡山市あるいは姫路市へ出ていただきます。どちらからでも手野バスが砂賀町への直通便を出しておりますので、間違えなければ問題はございません」

代理神はここから離れることができない。

神の依代としての存在ということなわけだが、それもさらに分けることができよう。

「さて、案内を頼めるかのぅ。我一柱では心元が危ういのでな」

「では私の人形(ひとがた)をお渡しします。それがご案内をいたしましょう」

「ふむ、それでよい」

と、ここまでして一つ言っておかなければならないことを思い出してしまった。

「そうじゃ、そこまでの渡し賃がないのじゃ。少しばかしくれぬか」

「では、それも含めて行いましょう」

いつの間にか、我の手の中に小さな人形がおった。

人形は少し震えて、それが声として我が認識できるようになっておる。

「行くか」

これから行くところならば、どうにか知り合いがおるだろう。

そうなれば、ここに顕現した甲斐もあろう。

今や砂賀町と呼ばれるべきところ、そこに目的地を設定して、進むこととした。

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