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悪神編 2
図書館は、大量の本があった。
それらをペラペラとめくりつつ、今の世についての説明を飲み込んでいく。
「よし、ようわかった」
ポンと最後の歴史書を元あった棚へと戻すと、図書館から出る。
おおよそ今の時期がわかった。
西暦というのには少しばかり苦労したが、わかってしまえばこちらの方が理解はしやすい。
元の世界からはざっと数百年を隔て、この世に再び顕現したということのようだ。
いやはや、全くどうして、この世はだから面白い。
まずはどうしたものかと思いつつ、昔馴染みが今もいるかどうかを確かめたく、足はある方向へと向かった。
金は作ることができるが、一気に使っては足がつくだろう。
それに、実物を見てみぬことには、果たして正しいかどうかもわからぬ。
つまりは歩くことが1番の近道となろう。
どちらにせよ、そこまで距離があるわけではない。
小学生か中学生といった体型であっても、半刻かからず、目標となる手野黒姫社には着いた。




